◆プロボクシング ▽日本スーパーウエルター級(69・8キロ以下)タイトルマッチ&WBOアジアパシフィック同級王座決定戦10回戦 〇日本王者・豊嶋亮太(3―0判定)同級3位・安達陸虎●(10月4日、東京・後楽園ホール)

 日本スーパーウエルター級王者・豊嶋亮太(29)=帝拳=が、同級3位・安達陸虎(27)=大橋=を3―0の判定で下し、日本王座の初防衛戦に成功。WBOアジアパシフィック同級王座も獲得し、2冠王者となった。

 戦績は豊嶋が22勝(12KO)3敗1分け、安達が19勝(14KO)5敗1分け。

 豊嶋は序盤からジャブの差し合いを制すと、中盤はショートアッパーを的確にヒットさせポイントを重ねた。終盤はアウトボックスしながら、ジャブカウンターで主導権を譲らず。ジャッジの採点は2者が98―92、1者がフルマークで豊嶋を支持した。

 ウエルター級で日本・東洋太平洋・WBOアジアパシフィックの3冠を達成した豊嶋は、5本目のベルトを獲得し「うれしいですね、何本取っても。ファンの方も喜んでくれる」と笑顔を見せ、「足を使って機転を利かせたのが良かった。安達選手が予想以上に気合が入っていて、挑戦者の気概を感じたが、落ち着いて処理することができた。練習でいろいろやっていることは出来た。ずっと目の前でやることに集中しながら、継続して先を目指すというところが出せた」と自身に及第点を与えた。

 試合後の控室では、8月にリング禍で亡くなったジムの後輩の浦川大将さん(享年28)に言及。「この試合が決まった時から浦川も一緒に練習してくれていて『豊嶋さん強いっす』って言ってくれていた。今日ちゃんと勝たないと『豊嶋さん、いつもの見せてくださいよ』と言われると思ったんで、それも届けたかった。

勝ててよかった」との思いを打ち明けた。

 今回のタイトルマッチは、帝拳ジムと大橋ジムの激突となった。11月24日には、WBC世界バンタム級王座決定戦で同級1位・那須川天心(27)=帝拳=と同級2位・井上拓真(29)=大橋=が対戦する。 “前哨戦”に敗れた形の大橋ジムの大橋秀行会長(60)は「きょうは帝拳・大橋対決で負けましたけど、次は絶対に勝ちます」と拳を握り、井上拓真に“リベンジ”を託した。

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