8試合が行われ、J1残留争い中の17位横浜FMは、敵地で柏に0―1で痛恨の敗戦を喫した。親会社の日産自動車が横浜FM運営会社の株式売却検討に関して、3日に「筆頭株主であり続けます」との声明を発表してから一夜明けての試合だったが、前半41分に柏のMF小泉佳穂(28)に許した1点を取り返せず。

J2降格圏の18位横浜FCも福岡に敗れたため、得失点差でわずかに残留圏内に踏みとどまった。1993年のJリーグ開幕から一度も降格したことのない名門が、残り5試合に全てを懸ける。

 厳しい現実を突きつけられた。横浜FMは柏に1点差で敗れ、J2降格圏から遠ざかることはできなかった。前半41分の失点が重くのしかかり、今季柏との公式戦は4戦全敗となった。J1残留争いの渦中で、約75%の株を保有する日産が家電量販店大手ノジマなど複数社に売却を打診していたことが表面化。大島秀夫監督(45)は「いろいろな報道があったが選手のプレーに影響はなかった。負けてしまい悔しい」と語った。

 横浜FMの中山昭宏社長(58)は社員に向け「クラブとしてやるべきことに集中しよう」とメッセージを送って動揺の抑制に努めた。現場でも西野SDが同様の言葉を選手に伝えたという。チーム一丸で臨んだが、厳しい判定に泣いた。0―0の前半18分、FW谷村が右クロスからネットを揺らしたが、VARチェックの結果、直前の競り合いでファウルがあったとされて幻ゴールに。

会見で指揮官も「ジャッジについて皆さんから意見を聞きたいくらい」と納得しなかった。

 18位横浜FCも敗れたことで、残留圏内17位に踏みとどまった。リーグ5度の優勝を誇り、降格経験はなし。強さを示したことで横浜FMは日産自動車の「象徴」であり続けた。MF喜田主将は「このクラブに誇りを持って、このクラブのために全員が戦い続けるだけ」と言った。何が何でもJ1に生き残る。(後藤 亮太)

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