◆米大リーグ 地区シリーズ第1戦 フィリーズ―ドジャース(4日、米ペンシルベニア州フィラデルフィア=シチズンズバンクパーク)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が4日(日本時間5日)、地区シリーズ第1戦となる敵地・フィリーズ戦に「1番・投手兼DH」で先発出場。メジャー8年目にしてポストシーズン(PS)初登板は今季最長タイの6回を投げて3安打3失点で降板した。
強力打線に対して初回。首位打者の1番ターナーをスイーパーで空振り三振に斬ると、本塁打と打点の2冠に輝いた2番シュワバーは5球目の99マイル(約159・3キロ)直球で右飛に仕留めたものの、右翼フェンス際まで打球を運ばれ、苦笑いのような表情を浮かべた。
2回。先頭のボームに四球を与えて初めて走者を背負うと、エンゼルス時代の同僚、5番マーシュには初安打となる中前打を打たれた。無死一、二塁から6番リアルミュートには右中間を破る先制の2点三塁打を浴びた。100・2マイル(約161・3キロ)直球を捉えられた。直後にはこの日最速の101・4マイル(約163・2キロ)を投げ込むなど球威はあったが、熱狂的なファンで知られる敵地は大歓声にのみ込まれた。さらに1死三塁から8番ベーダーには左犠飛を許し、この回3失点。1イニング3失点は今季ワーストタイだった。一転して3回はスプリットでシュワバー、ハーパーから連続三振を奪うなど立ち直った。
4回も3者凡退。捕手がロートベットからスミスに代わった5回は1死からベーダーへの死球で2回以来の走者を出すと、9番ストットの中前打で一、二塁のピンチを招いた。それでも、ターナーを遊直、最後はシュワバーをフルカウントからのカーブで空振り三振に仕留め、ガッツポーズを繰り出した。大谷の咆吼(ほうこう)に敵地は静まりかえった。チームが1点差に迫った直後の6回は先頭のハーパーをカーブで空振り三振。2死からマーシュもカーブで空振り三振に仕留めた。すると、7回にT・ヘルナンデスが逆転3ランを放った。
大谷は18年にエンゼルス入団も6年間はチームがPSに進めず。ドジャースに移籍した昨季、自身初めてPSに進出したが、23年9月に受けた右肘手術の影響で打者専念だったこともあって登板はなかった。今季は6月から投手復帰。少しずつイニング、投球数を増やしていく異例の形だったが、レギュラーシーズンでは14試合に登板して1勝1敗、防御率2・87。PSではスネル、山本由伸に次ぐ3番手として先発を任された。