大相撲で2024年9月の秋場所限りで現役引退した元関脇・妙義龍の振分親方の引退相撲が5日、東京・両国国技館で行われた。

 断髪式では日体大の後輩の横綱・大の里、解説者の元小結・舞の海秀平さん、落語家の三遊亭好楽、お笑いコンビ「ホンジャマカ」の石塚英彦ら395人がはさみを入れた。

師匠の境川親方(元小結・両国)の止めばさみで大銀杏(おおいちょう)に別れを告げた際、肩をポンとたたかれ「ちょっとジーンと来た。力士の一つの区切り」と感慨深げに語った。

 断髪式の前の最後の取組では8歳の長男・泰吉くん、5歳の次男・兼吉くんに押し出され、“黒星”を喫した。この一番に向け、自宅でまわしを締め、塩の代わりにティッシュをまいて予行演習を行ってきたという。大役を堂々と務めた2人の息子を「練習の成果が発揮できましたね。いい経験をさせてあげられた」と笑顔でねぎらった。

 整髪を終えると、妻・香奈さん、泰吉くん、兼吉くん、2歳の長女・和采(おと)さんと家族5人で写真に納まった。新十両場所で左膝を負傷して三段目転落も経験しながら、15年間の力士生活で技能賞6度。親方として後進の指導にあたる今後へ「ケガをしても腐らずやれば、いつかいいこともあると伝えていきたい」と抱負を述べた。

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