WEST.の小瀧望(29)が、9日スタートのフジテレビ系連続ドラマ「小さい頃は、神様がいて」(木曜・後10時)にレギュラー出演する。2週連続インタビューの前編では、好青年の長男・小倉順役で出演することへの思いや、「とりあえずトライしてみることがモットー」として取り組んでいる芝居へのハングリー精神を明かした。

 約2年ぶりのドラマの現場。ホームドラマらしい生活感あふれるセットに自然と胸が高鳴った。「久しぶりのドラマの現場だったので感動しました。小倉家やそれぞれの部屋の中に入り『うわあ~、すっごいなあ』とテンション上がりましたね」と瞳を輝かせる。

 天を仰ぐようなしぐさを見せ、「『人生そんなことあんの!?』ってことが最近起こるんですよ」と胸が熱くなることの連続のようだ。かつてテレビの前で熱狂した学園ドラマ「ごくせん」で主演を務めた女優・仲間由紀恵(45)と、今作で親子役での共演が実現した。

 「仲間さんとご一緒できる日が来るなんて…。あの“ヤンクミ”(=『ごくせん』で仲間が演じた主人公の愛称)ですよ!? しかも親子役で、一緒にご飯を食べるシーンを撮っている時は、もはや不思議体験でした」

 今作は3階建てのレトロマンションに暮らす個性豊かな3家族を描く。演じる順は家族思いの長男で、子供の頃に消防車に憧れたことをきっかけに、消防士として働く役柄だ。

 「僕は小さい頃は、サッカー選手になって圧倒的にモテたかった」と照れ笑い。「順は、選択するのが得意じゃない性格なのかなと思っていて、そこも自分と似ているかも。迷わなくていいのが合っていて、やるべきことがはっきりしているのが生きやすいみたいな感覚は、分かりますね」と共感している。

 順はヒーローのような存在感をまとう役柄でもある。自身のヒーロー的な存在を聞くと、前のめりに「たった一人です。大谷翔平選手です!」と即答。「テレビ台に大谷選手の卓上カレンダーを飾っていて、ユニホームも持っている。存在に感謝です。神に近い」と少年のような表情で熱弁する。

 「僕は生活のルーチンが全くない人間だったんです。だけど大谷選手の活躍を追うようになってから、生中継やハイライトは必ず見ている。去年の秋はミュージカルに主演して自分との闘いのような日々だったんですけど、大谷選手はポストシーズンへ行って、ワールドチャンピオンになって…。ものすごく活躍がモチベーションになった。同じ時代を生きられて幸せです」

 この数年は話題のミュージカルをはじめ、舞台に多数主演。21年には「エレファント・マン」で第28回読売演劇大賞の杉村春子賞を受賞するなど、頭角を現している。

 「数々の演劇の先輩方との出会いが大きい。(舞台に初挑戦する前の)23歳くらいまでやっていた演技って、『俺、何にも分かってなかったんや』と思い知らされましたもん。側(がわ)だけやって、何もできていなかったなと気づいた。ここ最近の変化ですけど、相手のお芝居が変わったら自分も自然と変わった時に『楽しい!』と思えた。柔らかい心もちゃんと持てているんだなと、少しだけ成長も感じました」

 小瀧の舞台での歌唱力や芝居は演劇記者の間でも評判だ。それを伝えると「恥ずかしい、やめて~」と心底気恥ずかしそうな表情で、「グループの話にしましょう!」とWEST.への思いを語り始めた。=後編へ続く=(ペン・奥津 友希乃)

 ◆小瀧 望(こたき・のぞむ)1996年7月30日、大阪府生まれ。29歳。2008年、事務所入所。14年、「ええじゃないか」でCDデビュー。15年、舞台「MORSE―モールス―」で単独初主演。18年、「プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~」で映画初主演。

「エレファント・マン」(20年)、「梨泰院クラス」(25年)など舞台主演多数。血液型O。

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