◆国際親善試合 日本―パラグアイ(10日・パナスタ)

 日本代表は6日、千葉県内で10日のパラグアイ戦に向けた合宿をスタート。対戦の4日前に新たに主将のMF遠藤航(32)=リバプール=の負傷による不参加が決まり、主力7人を欠く緊急事態下で挑まざるを得なくなった。

9月の米国遠征でメキシコ、米国に1分け1敗。パラグアイに引き分け以下なら、森保ジャパン第2次政権では初の3戦連続未勝利となる。ベテランDFの長友佑都(39)=FC東京=は危機感をあらわにした。

 ひとり、またひとりと主力の離脱が発表される緊急事態だ。2日の代表発表後、5日に発表されたDF陣リーダー板倉滉(28)=アヤックス=の不参加に続き、遠藤まで筋肉系のトラブルで欠くことに。長期離脱中の冨安、伊藤、町田、コンディション不良のMF守田に加え、米国遠征から三笘、板倉、遠藤を欠き、台所事情はさらに悪化した。

 この日は週末にリーグ戦を行った欧州組の多くが合流前とあり、ピッチでは国内組の5人(長友、相馬、安藤、大迫、望月)のみがボールを使った練習を実施。7日に全員がそろう予定だが、パラグアイ戦までわずか3日間。長友は「もちろん簡単ではない。でもW杯はベストメンバーで戦えるかといったらそうではない。もしかしたら、今以上に欠けるかもしれない」と危機感をあらわにし「選手がいないから、で諦めたらそれで終わり」と覚悟を示した。

 9月の米国遠征は主力が出場したメキシコ戦は0―0、サブ組で挑んだ米国戦は0―2の完敗。

米国戦先発で失点に絡んだ長友は、26年北中米W杯優勝を語るレベルに届いていなかった自身のプレーを「正直、話にならない」と吐き捨てた。主力とサブ組の力量差という課題が浮き彫りになった。

 さらに9月から主力を欠く一方で、新たに招集された選手たちにとってはチャンスだ。昨年11月に負った左足アキレスけんの断裂から約1年ぶりに代表復帰を果たしたDF谷口は「また絶対にこの舞台に戻ってやる、と思っていた。けが人が多い状況ですけど、ピッチ内外で存在感を出したい。競争は大歓迎」と野望を燃やした。米国遠征で表面化した課題を、解決する選手が出てくるのか。不安と期待を胸に、試練の2連戦に挑む。(金川 誉)

編集部おすすめ