体内の過剰な免疫反応を抑えるリンパ球の一種「制御性T細胞」を発見し、今年のノーベル生理学・医学賞に選ばれた大阪大学特任教授の坂口志文さんが、発表から一夜明けた7日、妻の教子さんと記者会見に臨んだ。
今朝たくさんの祝福メッセージで寝不足だという志文さんは「私の研究室で一緒に仕事してきた大学院の学生や、共同研究者、外国からは同じ免疫学の分野の今まで付き合いの方々など、いろんな方々ですね。
妻の教子さんは、同じ研究者としてこれまでの歩みを振り返り「大変な苦労をして、形になって本当に良かったと思っています」とほほ笑んだ。一番つらかった時期を乗り越えようとしている姿勢を見て、どのように感じていたかを聞かれた教子さんは「2000年ぐらいまではあまり認められていなかった。そこからなんとなく認められるようになってここまできたんですけど、何となく新しいデータが出る日があると、それなりにワクワクして、その積み重ねでここまできましたね」とそばで見守ってきた。
二人三脚で研究し、2人で難関も乗り越えてきた。教子さんの存在について志文さんは「普通と違うのは私が研究している内容を、家内が全部知っていること。あまり話し合わなくても、会話がなくても理解している。それが夫婦の形としてやってきたので、面倒くさくなくてよかった」と、笑った。夫婦ともに研究者である強みについて、何を考えているのか、言葉がなくても頭の中がわかってもらえると明かした志文さんは「色々なことがありますけど、夫婦で考えていくと克服する。サイエンスに限らずいろんな知恵が湧いてくるので良かった」と感謝した。