日本代表は6日、千葉県内で親善試合・パラグアイ戦(10日・パナスタ)に向けた合宿をスタートした。9月の米国遠征ではメキシコ、米国と対戦し、1分け1敗。

今回のパラグアイ戦で引き分け以下となれば、森保ジャパン第2次政権では初の3戦連続未勝利となる。

 現在、負傷者が多くチーム状態は厳しいが、今回は米国遠征からさらにキャプテンのMF遠藤航(リバプール)、DF板倉滉(アヤックス)が不在。中盤のデュエル王・遠藤と、CB陣で最も経験豊富な板倉という守備のキーマン2人を欠く中、どう守備を構築するかが大きなテーマとなる。

 冨安健洋や伊藤洋輝の長期離脱により、22年カタールW杯後に思い描いたベストメンバーは組めない状況が続いている森保ジャパン。印象的な結果と内容でドイツに4―1と大勝した23年9月のアウェー戦のスタメンのうち、今回は三笘薫、遠藤、守田英正、板倉、冨安、伊藤が負傷で不在。さらにアジア最終予選でW杯出場権獲得に貢献した町田浩樹、高井幸大といったCBも欠いている。

 そんな中、左アキレス腱断裂から約1年ぶりに代表復帰したのがDF谷口彰悟(シントトロイデン)だ。

「素直にまたここに帰ってこられてうれしい。ケガをして苦しい時期もありましたけど、最終予選でみんなが戦う姿に刺激を受け、『絶対にここに戻ってやる』という思いでした。今は(チームに)ケガ人が多い状況ですが、ピッチ内外で存在感を出したい」と語った34歳。今回の2試合で、W杯メンバー入りへ向けて再びアピールできるかが注目される。

 谷口は24年9月にスタートしたアジア最終予選で、冨安らが不在のDFラインにおいて初戦から4戦連続で3バックの中央を務めた。

しかし、10月15日のホーム・オーストラリア戦では痛恨のオウンゴールを喫し、試合は1―1の引き分け。「僕が試合を壊してしまった」と悔やんだ。その後、シントトロイデンに戻って11月にアキレス腱を断裂。当時33歳での大ケガに加え、自身が不在の間に日本代表では高井ら若手CBの台頭もあり、26年北中米W杯への道は厳しいものとなった。

 それでも今回、W杯まで約8か月というタイミングで再びチャンスを引き寄せた。谷口は「争いはW杯までついて回るもの。新しくチャンスをもらう選手もいるだろうし、そういった選手がプレーして競争が激しくなることは、日本代表が強くなるために必要なこと。競争は大歓迎です。その中で、自分は競争に負けないように存在感を示していきたい」と語る。

 自身の役割についても、すでに明確な意識を持っている。「守備で言えば、ラインの統率とか、細かいところはもっとできるなと、自分も外から見て思うところがあった。自分がピッチに立った時は、そこにこだわってやっていきたい。

1対1のバトルもそうだし、あとはビルドアップ。強い相手になればなるほど、自分たちがボールを握る時間は減ってくる。それをどれだけ伸ばせるかは、カタール後にトライしてきた部分。そこにこだわりながら、自分がいることでこういう効果をもたらせるよ、というプレーをしたい」。あのオウンゴールで止まっていた代表での時間を、再び動かして存在感を示すことが、北中米W杯行きへの必須条件となる。

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