◆米大リーグ 地区シリーズ第3戦 ドジャース―フィリーズ(8日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・山本由伸投手(27)が8日(日本時間9日)、2連勝で突破に王手をかけている地区シリーズ第3戦の本拠地・フィリーズ戦に先発し、4回に失点した。

 初回。

1番ターナーのセーフティーバントを自ら処理すると、2死からハーパーに四球を与えたが、続くボームを中飛に仕留めて無失点の立ち上がり。2回も先頭マーシュがバントの構えで揺さぶってきたが、三ゴロに打ち取るなど3者凡退と落ち着いていた。3人で簡単に料理した3回までわずか36球で投げ切った。

 しかし、エドマンのソロ本塁打で先制した直後の4回。先頭の2番シュワバーに同点ソロを献上。今季本塁打と打点の2冠に輝いたスラッガーに96・4マイル(約155・1キロ)直球を右翼席後方の屋根まで運ばれた。飛距離455フィート(約139メートル)の特大弾。今シリーズでここまで無安打だったシュワバーを目覚めさせた山本は打たれた瞬間、マウンド上で絶叫した。さらに3番ハーパーに左前打を許すと、ボームの中前打でハーパーが一塁から三塁へ。中堅パヘスの三塁送球が悪送球となり、ハーパーが生還した。なおも1死三塁から5番マーシュの左犠飛で山本は瞬く間に3点を失い、逆転された。

 由伸の1イニング3失点は8月11日(同12日)の敵地・エンゼルス戦の5回以来。

1試合3失点が8月18日(同19日)の敵地・ロッキーズ戦以来だった。

 2年連続となる今年のポストシーズン(PS)で、最初はレッズとのワイルドカードシリーズ第2戦を任された右腕。初回に味方の失策絡みで2点を失ったが、結局6回2/3を4安打2失点(自責0)9奪三振、メジャーでは自己最多の113球を投げて勝利投手となり、チームを地区シリーズ進出に導いた。今季は4年連続の地区優勝を決めた試合でも先発マウンドに上がっており、ロバーツ監督も「このシリーズを締めくくるチャンスを与える上では彼がふさわしい男」と期待を寄せている。

 渡米2年目の今季は開幕投手を務め、30試合で12勝8敗、リーグ2位の防御率2・49、被打率1割8分3厘はメジャートップとエースの働きを見せた。開幕からチームでは唯一ローテを守り切り、9月6日(同7日)の敵地・オリオールズ戦では9回2死まで無安打無得点の快投。レギュラーシーズン最終登板となった同25日(同26日)の敵地・Dバックス戦では日本人史上7人目のシーズン200奪三振にも到達した。

 ルーキーとして初めて経験した昨年のPSは、パドレスとの地区シリーズ第1戦先発を任されたが、初回に3点を失うなど3回5安打5失点。それでも、勝てばリーグ優勝決定シリーズ進出、負ければ敗退という運命の地区シリーズ第5戦では5回2安打無失点と好投。ダルビッシュとの投げ合いを制し、この一戦が球団4年ぶりとなる世界一につながった。ヤンキースとのワールドシリーズ第2戦では7回途中1安打1失点で白星をマーク。昨年のPSは計4試合で2勝0敗、防御率3・86だった。

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