◆米大リーグ 地区シリーズ第3戦 ドジャース―フィリーズ(8日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・山本由伸投手(27)が8日(日本時間9日)、2連勝で突破に王手をかけている地区シリーズ第3戦の本拠地・フィリーズ戦に先発し、4回0/3を6安打3失点で降板した。球数67球、最速97・1マイル(約156・3キロ)。
序盤は快調だった。初回。1番ターナーのセーフティーバントを自ら処理すると、2死からハーパーに四球を与えたが、続くボームを中飛に仕留めて無失点の立ち上がり。2回も先頭マーシュがバントの構えで揺さぶってきたが、三ゴロに打ち取るなど3者凡退と落ち着いていた。3回まで無安打無失点、球数もわずか36球だった。
しかし、エドマンのソロ本塁打で先制した直後の4回に崩れた。先頭のシュワバーに同点ソロを献上。今季本塁打と打点の2冠に輝いたスラッガーに96・4マイル(約155・1キロ)直球を右翼席後方の屋根まで運ばれた。飛距離455フィート(約139メートル)の特大弾。今シリーズ無安打だったシュワバーを目覚めさせた山本は打たれた瞬間、マウンド上で絶叫した。さらに3番ハーパーに左前打を許すと、ボームの中前打でハーパーが一塁から三塁へ。
1―3の5回。先頭のストット、ターナーに連打を食らって無死一、二塁とされ、シュワバーを打席に迎えたところでベンチは2番手バンダへの交代を決断した。バンダはいきなり重盗を許し、二、三塁とピンチが拡大したが、シュワバーを空振り三振。ハーパーを浅い右飛に斬り、最後は2死満塁でマーシュを空振り三振と仕事を果たした。
山本は2年連続となる今年のポストシーズン(PS)で、最初はレッズとのワイルドカードシリーズ第2戦を任された。初回に味方の失策絡みで2点を失ったが、結局6回2/3を4安打2失点(自責0)9奪三振、メジャーでは自己最多の113球を投げて勝利投手となり、チームを地区シリーズ進出に導いた。今季は4年連続の地区優勝を決めた試合でも先発マウンドに上がっていた。
渡米2年目の今季は開幕投手を務め、30試合で12勝8敗、リーグ2位の防御率2・49、被打率1割8分3厘はメジャートップとエースの働きを見せた。
ルーキーとして初めて経験した昨年のPSは、パドレスとの地区シリーズ第1戦先発を任されたが、初回に3点を失うなど3回5安打5失点。それでも、勝てばリーグ優勝決定シリーズ進出、負ければ敗退という運命の地区シリーズ第5戦では5回2安打無失点と好投。ダルビッシュとの投げ合いを制し、この一戦が球団4年ぶりとなる世界一につながった。ヤンキースとのワールドシリーズ第2戦では7回途中1安打1失点で白星をマーク。昨年のPSは計4試合で2勝0敗、防御率3・86だった。