◆米大リーグ 地区シリーズ第3戦 ドジャース―フィリーズ(8日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 フィリーズのカイル・シュワバー外野手(32)が8日(日本時間9日)、地区シリーズ第3戦となる敵地・ドジャース戦に「2番・指名打者」でスタメン出場し、8回にこの日2本目の本塁打を放った。

 5点リードの8回1死一塁の第5打席。

今季限りでの現役引退を発表している通算223勝左腕カーショーの初球、90・2マイル(約145・2キロ)直球を振り抜いた。角度42度と天高く舞い上がった打球は右翼席の最前列に着弾。8―1の大量リードとなり、ドジャースタジアムは静まり返った。

 今シリーズ3戦目にしてようやく快音を響かせた。第2戦までヒットすら出ていなかったが、1本目は1点を追う3回先頭の第2打席だった。ド軍先発の山本由伸投手(27)から右翼席後方の屋根に直撃する飛距離455フィート(約139メートル)の特大同点ソロを放った。そして勢いは止まらず、8回にもホームランと完全に息を吹き返した。

 レギュラーシーズンは全162試合に出場し、チームのナ・リーグ東地区優勝に大きく貢献したシュワバー。最終戦までドジャース・大谷翔平投手(31)と競った本塁打王争いは、1本差で上回る自己最多56発で22年に次いで2度目のキングに輝いた。さらに132打点もリーグトップで2冠。打率は2割4分ながら、OPSはリーグ2位の・928をマークした。

 カブス時代の15年に初めてポストシーズン(PS)に出場してから、「PS男」でもあるシュワバー。

この日の試合が自身通算72試合目のPS出場で23発目。通算本塁打では、M・ラミレス(元レッドソックスなど)の29本、J・アルテューベ(アストロズ)の27本に次いで単独3位の記録となった。3回の一発で並んでいたB・ウィリアムズ(元ヤンキース)を一気に抜き去った。

 地区シリーズ第1戦では、先発した大谷に2三振を喫するなど4打数無安打に終わり、第2戦でも3打数無安打2三振。この日の試合前の時点で7打数無安打5三振と当たりが出ていなかったが、ようやく目を覚ました。

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