サッカー日本代表は9日、大阪・吹田市内でパラグアイ戦(10日・パナスタ)に向けた最終調整を行った。今季オランダ1部フェイエノールトで8戦8発と絶好調で、現地紙も「アンストッパブル(止められない)」と舌を巻く活躍を続けるFW上田綺世(あやせ、27)は、今活動からW杯過去3大会で着用選手がゴールを記録した背番号「18」に変更。
8試合で8発を稼いだ絶好調のオランダリーグ得点王・上田は胸を張った。「結果が出ている分、自信を持ってプレーできる。(8戦8発の結果は)ここでも影響すると思う」。南米予選を勝ち上がり、18試合で10失点と堅守を誇る難敵との対戦を心待ちにした。
日本は9月にメキシコ、米国相手にノーゴール。3戦連続で無得点&勝利なしとなれば1999年以来、26年ぶりの“大失態”だ。3月のサウジアラビア戦(0△0)、6月のオーストラリア戦(0●1)も無得点に終わっており、W杯常連国との対戦(E―1選手権除く)で360分間ゴールなしの“ゼロ行進”状態。森保一監督(57)も「最後に決めきって終わることにこだわらなければ」と危機感を口にする。エース・上田への期待は大きい。
これまで代表では、背番号「9」が定着していたが、「自分にとって特別な番号」と語る「18」を今活動から町野から受け継いで背負う。サッカーを始めるきっかけだった父・晃氏がクラブチームの試合で、元ドイツ代表FWクリンスマンに憧れて着用していた番号。
日本にとっても「18」は特別な背番号。10年南アW杯では本田圭佑が2得点を挙げ、14年ブラジル、18年ロシア大会で背負ったFW大迫勇也もロシア大会でコロンビアから決勝点。22年カタール大会では浅野拓磨がドイツ撃破の決勝点を決めた。「1点でも多く取ってチームを助けるのが僕の仕事」と意気込む点取り屋に“栄光の18番”が渡った。
上田とフェイエノールトで同僚のDF渡辺いわく、最近の上田は「確実に笑顔が増えた。楽しそう」だという。上田が日本代表で得点すると9戦全勝。上田が笑えば日本も笑う。9番改め18番のストライカーが、W杯出場国の南米勢2連戦で輝く。(岡島 智哉)
〇…森保監督は前日会見で「W杯に向け、個々、チームがレベルアップし、積み上げていけるように試合の中でチャレンジしたい」と意気込みを語った。