◆米大リーグ 地区シリーズ第4戦 ドジャース2x―1フィリーズ=延長11回=(9日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・佐々木朗希投手(23)が9日(日本時間10日)、2勝1敗で突破に王手をかけている地区シリーズ第4戦の本拠地・フィリーズ戦に1―1で同点の8回の場面で3番手としてマウンドに上がり、ポストシーズン4登板目で自身初のイニングまたぎとなる3イニングをパーフェクトに抑える圧巻の投球を見せ、チームのサヨナラ勝利&地区シリーズ突破に貢献した。

 当初、事前に2イニングの予定を伝えられていたといい、「試合前には今日2イニングあるかもと言われて、逆算してあって8回からかなとは思っていた」。

試合展開を追いながら準備を進めていたが、7回にベッツが2死満塁から押し出し四球を勝ち取り、同点に。強心臓の23歳右腕は「同点になったタイミングで急に言われて、いつもより準備が少ない中になってしまったけど、なんとかすぐにスイッチ入れて試合に挑めたかなと思います」とマウンドに向かった。

 今季56発の本塁打王シュワバーといきなり対決。初球は外角にスプリットが外れ、カウント1―0からの2球目、直球が真ん中に入ると、シュワバーもスイングした。右翼へ打球が飛んだが、球威で押したか、フェンスより大きく手前で失速し1アウトを奪った。

 続くハーパーに対しては直球から入ってスプリットを3連投。カウント1―2から内角カットボールで三飛に打ち取った。ボームとの対戦では初球で100・7マイル(約162キロ)の直球。これを二ゴロに打ち取って3アウト。「ローキコール」に後押しされて中軸を退けると、手をたたきながら喜び、マウンドを降りた。

 朗希は9回も救援転向後初めてのイニングまたぎも、3者凡退にすると、延長10回も続投。カステラノスを三ゴロ、ストットから空振り三振を奪って2アウトとすると、1番ターナーに対しては、フルカウントから99・7マイル(約160・5キロ)の直球で当たり損ねの右直に打ち取った。

全36球を投げ終え大歓声の中マウンドを下りると、ロバーツ監督から出迎えられてハグされた。

 チーム事情もあって9月途中からマイナーで救援に転向。マイナーで2試合、レギュラーシーズンで2試合リリーフで登板し、ポストシーズンの登録メンバー入りをつかんだ朗希。ワイルドカードシリーズでは4点リードの9回に登板して試合を締めくくると、4日(同5日)の地区シリーズ第1戦では、2点リードの9回に登板して無失点で抑え、日米通じて初のセーブを挙げていた。

 試合後にはシャンパンファイトで勝利の美酒に酔いしれた。地区シリーズ突破を決め、「シーズン何もできなかった分、少しでもチームに貢献したいという気持ちと、その中で個人としては来年につながるなにかをあのまま終わるよりは、ポストシーズンで色々経験してという思いがあったので、今は少しずつそういう感覚があったのでよかった。チームのために今は働けているのでよかったと思います」と、かみ締めた。

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