デビュー30周年を迎えた4人組ダンスボーカルグループ「MAX」が、13日に沖縄コンベンションセンターでコンサートを行う。故郷の沖縄では27年ぶりとなるコンサート。
屈託のないおしゃべり、よく通る笑い声。一気にその場が明るくなった。その雰囲気がまぶしく、記者が「輝いてますね」と声をかけると、4人は「やだ、照明いらず!」と大笑いした。30周年を迎えても、MAXは極めて自然体だ。
メモリアルイヤーの集大成として、故郷・沖縄でのコンサートで27年ぶりの凱旋を果たす。25周年を過ぎた頃から、沖縄で30周年ライブをすることを公言し始めたといい、念願がかなう。
REINA(47)「27年前に感じた沖縄ならではの温かさを、また感じられるんだと思うとすごく楽しみです」
LINA(48)「自分が生まれ育って、夢を見つけたのも、夢を育んだのも、夢をつかんだのも沖縄。感謝の気持ちと同時に、ハッピーでお祭りのようなライブにできたら」
30年を迎えて去来する「感謝」の思いは4人の共通認識だ。「30年前の自分に会えるとしたら、伝えたいことは?」と聞くと、NANA(49)は「自分も含めて、4人に『ありがとう』っていう思い」と答えた。
NANA「30年前の自分が純粋な気持ちでこの世界に入ってきて、そのままの気持ちで頑張ってきてくれたから今がある。
LINA「経験が自分を強くしてくれた。若い時って、とんがっていて振り返ると生意気だったけど、全ての感情が自分をここに連れてきてくれたんだなとも感じるんですよね」
結成当初は企画グループだったはずが、気づけば30周年。MINA(47)は「30年も一緒にいるんだって本当にビックリですよね」と感慨深げに語った。
歌って踊るスタイルのガールズグループが、オリジナルメンバーで30周年を迎えることは驚異的なこと。結婚、妊娠などに伴うメンバーの休養や人数の変遷を経て、メンバー間でわだかまりが残った時期もあった。しかし、それすらもMAXの一部として受け止め、当時の話も封印することはない。
MINA「今の世の中の女の子たちの社会でも、誰にでも直面することだと思うんですよ。みんながこういう時どうやって乗り越えてるんだろう?って、私たちの話を通して共感してもらうことがあったらいいな」
LINA「もちろん時間はかけました。仕事を重ねて重ねて、ゆっくりゆっくり自分たちで積み重ねていった感じだと思います」
NANA「みんなが一生懸命生きてるっていう感覚が互いにわかり合えるようになって、30代ぐらいからお互いの幸せを願うようになれた。それぞれがまた違う経験を知ったからこそ、お互いを尊重できるようになった」
激しいダンスに高度なボーカル。運動量やパフォーマンスのクオリティーを保ったまま、なぜ30年間走り続けて来られたのか。
REINA「ファンの子たちが『踊ってるMAXを見たい』って求めてくれたのが一番かもしれない。
LINA「最近すごい褒められるよね(笑)。私たちとしてはデビュー当時から歌って踊って、ライブして、というスタイルは変わらない。積み上げてきたものが年齢とともに『すごい』って言ってもらえることに変わってきて、またここから先の10年は、何か変わりそうな気がする」
30周年を過ぎても、まだまだ勢いは止まらない。次なる目標は「還暦MAX」までステージに立ち続けること。
NANA「みんなで体を大事にして一歩ずつ元気に頑張ること。沖縄では今のベストを見せたくて、本当に熟してる。今の私たちを沖縄で目に焼き付けておいてほしいんです」
MINA「手探りでずっと30年やってきましたけど、後輩の子たちと一緒になる機会も増えて、少しは背中も見せられるようになってきた。沖縄でどんなパフォーマンスができるのか。感情がコントロールできるかな、って心配(笑)」
4人にとって「MAX」とは何か。
REINA「『宝物』です。MAXがあるからこそ、オン・オフの切り替えができて、自分に力がもらえる」
NANA「『自分を育ててくれた場所』。MAXがあって、その中で勉強することがすごく多くて、絶対に手放したくないもの」
MINA「切っても切り離せない『私の体の一部』ですね。
LINA「『人生』。MAXがいてくれなかったら、私の人生はこんなにキラキラしてなかった。助けられて、分かち合って、笑い合って…。こんな人生ってなくないですか?っていうぐらい。みんながいてくれたおかげで、私は最高の人生で後悔なく天国に行ける」
達観したLINAのコメントに、3人が口々に「早い早い!」とツッコミを入れ、大笑いした。30周年も、還暦も、その先も―。MAXの進む道はいつだって輝いている。
◆MAX(マックス)NANA、MINA、LINA、REINAによる4人組。沖縄アクターズスクール出身の「SUPER MONKEY’S」のメンバーから選ばれ、1995年「恋するヴェルファーレダンス」でデビュー。96年「TORA TORA TORA」でブレイク。97年「Give me a Shake」でオリコン初登場1位を獲得し、NHK紅白歌合戦初出場(5年連続5回出場)。