◆国際親善試合 日本代表2―2パラグアイ代表(10日・パナソニックスタジアム吹田)

 エースの仕事だ。1点を追う後半44分、MF上田綺世(あやせ、27)=フェイエノールト=は観衆の声援を受けてピッチに入り、同アディショナルタイム(AT)4分、期待に応えた。

MF伊東のクロスが流れたところをダイビングヘッドで押し込んだ。出場からわずか5分。敗色濃厚だったチームを救い「流れ球とか、そういうところは狙ってました」と胸を張った。

 「9番」を返上し、「18番」で臨んだ初戦。元ドイツ代表FWクリンスマンに憧れていた父・晃さんが、クラブチームで着用していた番号だった。応援に足を運んだ両親の前で、代表では昨年9月以来となるゴールを奪い「普段から支えてくれる母と、僕が憧れている父親も来ていた。点を取って恩返しを少しできたのは、僕にとってすごい達成感もあるし、一番うれしい」と振り返った。

 所属するフェイエノールトでリーグ戦8戦8発の好調ぶりを示した。「僕が積み重ねてきたことが、今結果になっている」。2試合無得点だったチームの連敗を阻止し「エースとして、責任とかはあまりなくて。18番を背負ってプレーすることは一番特別なことではあります」と言った。頼れる上田がブラジル撃破へチームを先導する。

(森口 登生)

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