◆女子プロゴルフツアー スタンレーレディスホンダ 第1日(10日、静岡・東名CC=6435ヤード、パー72)
2020~21年シーズンの賞金女王で、21年東京五輪銀メダルの稲見萌寧(26)=フリー=が6バーディー、ボギーなしで今季自己ベストの66をマークし、首位と1打差の6位と好発進した。今季はショットの精度を欠き、予選落ち15回と苦戦。
長いトンネルから抜け出そうともがく稲見から、満面に笑みがこぼれた。20年大会を制したコースで7番は4メートル、8番は1メートル、9番は4メートルを決めて3連続バーディー。78をたたいた前週の日本女子オープン最終日から一転、今季自己ベストの66に「すごい良いスタート。(自己採点は)常に70~80点が100点だと思ってるけど、今日は70点くらい」と声をはずませた。
20~21年に9勝を挙げた賞金女王。だが、23年に13勝目を飾った後、腰痛などで長いスランプに陥った。今季はアイアンショットの精度を欠き、出場25戦で予選落ち15回、棄権1回。夏場は「体を整える」ために3週間休養し、体重は3キロ落ちた。8月のCATレディース初日は最下位に沈み「直すところが多すぎてパンク中」と解決策を見いだせない日々が続いた。
レジェンドの金言が復活を後押しする。
自身も19年から2季連続パーオン率1位のショットメーカー。精度が落ちて以降はショット練習を重視するあまり、比重が減っていたショートゲームの練習を増やし「不動さんから教えてもらい、より両方めちゃくちゃ頑張ろうと思えた」。この日は10番で左ラフ25ヤードからピンそば、14番で左ラフから1メートルに寄せてパーを拾うなど、成果が実った。
18年プロテスト同期の渋野日向子、原英莉花が米ツアーから凱旋して観客を沸かせた中、ビッグスコアをたたき出した。首位と1打差で「明日から頑張りたいけど、変わらず努力して、もっと上を目指す」。2年ぶり14勝目へ復活ののろしを上げた。(星野 浩司)
◆稲見 萌寧(いなみ・もね)1999年7月29日、東京・豊島区生まれ。26歳。