サッカー日本代表は11日、14日のブラジル戦(味スタ)に向けて千葉市内で調整した。左足首痛のため別メニューが続いていたMF久保建英(24)が、一部を除いて全体練習に合流。

大阪で行われたパラグアイ戦(2△2)から一夜明け、この日は初めてスパイクを履いてピッチで汗を流した。過去13戦で2分け11敗の王国との一戦へ「過去が足を引っ張らないように、僕たちは今を生きているので、一戦一戦集中していきたい」と決意を示した。

 小雨が降りしきる中、久保は感覚を確かめるようにプレーの動作を確認した。左足首痛で7日に代表合流してから別メニューが続いていたが、この日はスパイクを履きパラグアイ戦に先発しなかったメンバーとともにボール回しまで実施。個別練習では切り返しの動作からシュートを放つなど、完全復活への階段を着実に上がっていることをアピールした。「久々に合流出来てよかった。プラン通りにいっていると思う。大丈夫な感じ」とうなずいた。

 視線の先に見据えるのは「そこを目指してやっている」と、ブラジル戦での復帰だ。王国には過去13戦で一度も勝てていないが、後ろは振り返らない。「過去が足を引っ張らないように。僕たちは今を生きているので、一戦一戦集中していきたい」。

22年に0―1で敗れた一戦はベンチ入りも出番はなし。FC東京時代の本拠地・味スタにA選手の選手として初めて挑む試合で、その時の悔しさも晴らし、歴史的1勝を刻む。

 今後を占う上でも重要な試合になる。10日のパラグアイ戦は2―2の引き分けで、9月の米国遠征から現在3戦未勝利(2分け1敗)。4戦未勝利となれば、18年から続く森保政権では初の屈辱となる。ブラジルは10日に敵地で韓国に5―0と完勝。久保がRマドリードに所属した19年の親善試合で、一緒にプレーした同世代のFWビニシウス、ロドリゴもそろってゴールを挙げるなど勢いのままに乗り込んでくる。

 ブラジルも大幅に先発を入れ替える可能性も高いが、久保は「質の高さにしっかり対抗していくのが大事。あとは安易なミスもなくしていかないと。韓国の選手たちには気の毒ですけど、僕たちはホームで0―5で負けるわけにはいかないので気を引き締めていきたい」最多5度のW杯優勝を誇るカナリア軍団に、久保が挑む。(後藤 亮太)

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