プロボクシングの世界3階級制覇王者でWBA・WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)1位、IBF同級3位の中谷潤人(27)=M・T=が13日、神奈川・相模原市の相模湖カントリークラブで走り込み合宿を公開。スーパーバンタム級に転級して筋肉量が2、3キロ増えたことを明かし、「体重が重くなった分、パンチも(体重を)乗せてられていると感じる」とパワーアップを実感。
中谷はジムメートらとともに11日から3日間、毎日10キロ以上の走り込みを行った。「今回は特に下半身をしっかりいじめ抜いて、いい具合に疲労が出ていて強くなっている感覚がある。走り込みのキャンプはまた一つスイッチを入れる場所。自分自身と対話して、だんだんとスイッチが入ってきた」と合宿の成果を振り返った。現在の体重は「平均64、5キロ」で「最初は重いなという感じもあった」というが、「走ることを繰り返していくうちにスピード感も出てきている。ボクシングにもつなげていければ」。普段の練習でも、「より繊細に動けるように」とラダートレーニングなどに取り組んでいるという。
M・Tジムの村野健会長も「体が一回り大きくなったと感じるし、気持ちがすごく入っている。試合直前ではない状態だが、すごく緊張感を持ってジムワークや走り込みができている。すごく気合が入ってるなというのを感じますね」と話した。
中谷は先月、WBC・IBF世界バンタム級の両王座を返上。
次戦は12月27日、サウジアラビア・リヤドで行われる興行「NIGHT OF THE SAMURAI」で、井上尚のスパーリングパートナーを務めたこともあるWBC同級8位セバスチャン・エルナンデス(24)=メキシコ=とのノンタイトル10回戦に臨む。同興行では、井上尚がWBC同級1位アラン・ピカソ(25)=メキシコ=と対戦。井上尚と初めて同じリングに立つ。
同級デビューの相手となる20戦全勝(18KO)のエルナンデスについては「パンチのある選手。映像でちょっと見た限りでは、あまりスピードはないかなと感じたが、向き合ってみて驚きのないようにイメージしながら作り上げていければ。自分の成長につなげていける相手だなと思うので、楽しみにしている」と印象を述べた。
また中谷は、9日に放送されたTBS系「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」に出演し、中谷の大ファンだという俳優の妻夫木聡と共演。「うれしかったです。収録が終わってから、ベルトをまじまじと見てもらって喜んでいただけた。SNSもフォローしてくださっていて『いつも見ています』と話していただいた。いろんな人に届けられるようなボクシングをしていかないとな、と改めて感じさせてもらえた」と笑顔で話した。
11月には米ロサンゼルスに出発し、ルディ・エルナンデス・トレーナーのもとでスパーリング合宿を行う予定だ。