阪神・藤川監督が、甲子園で行われた全体練習前の円陣でナインに大号令を掛けた。「きょうまでの準備は非常に良かった。

ただ、その準備は捨てよう。準備の大切さはあるけど持ち込む必要は何もない。あすからは楽しむこと」。15日に始まるDeNAとのCS最終ステージ。決戦を前に伝えたかったのは「荒々しく楽しめ!」ということだ。

 その後、虎将は「森下のように」と付け加えたという。ガツガツ感あふれる全力プレーでダイヤモンドを駆け抜ける若き大砲の姿こそ、短期決戦において全員に求める理想像。「『荒々しく』がペナントレースのテーマだった。そこにもう一つ、選手たちには楽しんでプレーしてもらう。それが一番いい」。阪神ファンの大応援も、力に変える。

 4番の佐藤輝にも改めて「荒々しく戦おう」と声を掛けた指揮官。

相手は巨人に2連勝してCS第1Sを突破し、勢いに乗るDeNAだが「まあ阪神タイガースで戦うということです」と意に介さない。初戦の先発は投手3冠の村上に託した。「面白い選手が活躍するんじゃないですか。そういう戦いだと思う」。セ界の王者が圧倒してみせる。

(中野 雄太)

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