◆テニス ▽木下グループ・ジャパン・オープン女子第3日(15日、大阪・モリタテニスセンターうつぼ)

 4大大会4度の優勝を誇る世界ランキング16位で第1シードの大坂なおみ(フリー)が、終盤に左足太ももを痛めながら、何とか勝利をものにした。同57位のスーザン・ラメンス(オランダ)に7-6、3-6、6-2のフルセットでベスト8に進出した。

しかし、コート上での勝利インタビューも、「とても大変な試合だった。いろいろあって、それが態度に出てしまってごめんなさい。応援してくれてありがとう」と言うと、途中で切り上げた。

 試合後、痛み止めを飲んだ。「今は効いているので、実際の状況より痛みが少ないと思う。でも動けなかった。ただ、非常に治るのが早いタイプなので、次の試合には間に合うのではと願っている」。16日が28歳の誕生日だが、思わぬけがで、素直に勝利を喜べない状況だ。準々決勝では、同47位のジャクリネ・クリスティアン(ルーマニア)と対戦予定だ。

 最終セット5-0とリードし、大坂の勝ちムードが漂っているときだった。相手のサービスゲームで30オール。勝利まで2ポイントの時だった。

大坂は、フォアサイドで逆をつかれ、その場でラケットを杖のようにして体を支え、動けなくなった。

 そのまま、大坂は主審にトレーナーを呼んでほしいと告げると、足を引きずりながらベンチに戻った。治療時間を取り、トレーナーに左足の治療を受け、テーピングを巻いた。試合を再開するが、明らかに動きが鈍く、膝も曲げられない。スコアは圧倒的に優勢だが、全く油断ができなくなった。

 大坂は、なるべくポイントを早く終わらせるため、ミスをするリスクはあるが、強打をし始めた。5-1で2本のマッチポイントを握るが、奪えずに5-2。続く相手のサービスゲームで、何とか3本目のマッチポイントを奪い勝利に結びつけた。

 観客は、拍手で大坂を応援し続けた。「感謝している。ここでプレーすることは、それほど多くない。地元に帰ってきた気持ちがあるし、見に来てくれた人たちのためにも、プレーをしたいと思った」。

生まれ故郷の大阪で、何とか勝利に結びつけた。

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