巨人のドラフト1位・石塚裕惺内野手(19)が15日、“チョーさんイズム”を継承し、羽ばたく決意を示した。今季2軍でともにプレーした長野久義外野手(40)が現役を引退。
技術や知識はもちろん、誰からも愛された紳士的な人柄はルーキーにも大きな影響を与えた。「1年目はすごく不安で始まった」という石塚を気遣い、結果が出ない時には励ましや助言を授けてくれたという。14日の引退会見にも駆けつけた19歳は「すごく声も出されますし、本当にプレー以外のところも参考になる方。僕もああいう先輩になりたいな、と」。ベンチの最前列で味方を鼓舞するなど、間近で学んだ一流の立ち居振る舞いを参考に、巨人の顔へと成長していくつもりだ。
1年目の今季は9月中旬に1軍デビュー。同23日の広島戦(マツダ)でプロ初安打を放ったが、最後の4戦では4打席連続空振り三振に倒れるなど課題も残った。今後は、実戦の中で飛躍のヒントを探す期間になる。この日は「みやざきフェニックス・リーグ」に出場するため、空路で宮崎入り。「打撃ではいろんな制限をかけたり、1試合、1クールでテーマを変えてもいいと思う。そういうことが試せる時期。
阿部監督が「小さくまとまらないで、スケールの大きい選手になってほしい」と、期待を寄せる金の卵。「いいきっかけを得られれば、来年につながってくる。これからもアピールだと思うので、ケガには気をつけながらしっかりレベルアップしていけたら」。憧れの背中を追いかけて、鍛錬の秋が始まる。(小島 和之)