◆プロボクシング ▽54・5キロ契約8回戦 〇富施郁哉(1回TKO)ユッティチャイ・ワンナウォン●(15日、東京・後楽園ホール)

 元日本バンタム級王者で日本同級3位の富施郁哉(27)=ワタナベ=が、ユッティチャイ・ワンナウォン(29)=タイ=を1回2分50秒TKOで下した。昨年7月に日本王座の初防衛戦で増田陸(28)=帝拳=に4回KOで敗れ王座陥落した富施は、昨年12月の再起から3連勝とした。

 戦績は富施が17勝(4KO)4敗、ユッティチャイが19勝(13KO)17敗。

 サウスポーの富施は、初回に左のオーバーハンドでダウンを奪うと、再開後も攻撃の手を緩めず左ストレートでユッティチャイをロープに吹っ飛ばして2度目のダウン。レフェリーが即座に試合をストップした。

 リング上で「KOで倒せてホッとしている。KOで倒して(タイトル挑戦へ)アピールしたかった。もう1回ベルトを巻いて、その先を目指していきたい」と喜びを語った富施は、試合後の控室で「力が入っちゃった。ちょっとリキみ過ぎた。外国人の選手は情報が少ないので、変な緊張感があった」と振り返った。

 王座陥落からの再起後は2戦連続で判定勝利が続いたが、キャリア初のKO勝利。「自分のボクシングは距離を取って戦うスタイルだが、最近はスパーリングでもパンチが硬いと言われる。パンチはついてきていると思うので、それを自分のスピードと合わせて生かしていきたい」と手応えを口にした。

 バンタム級は、増田が日本王座を返上し、10月25日に同級1位・大橋哲朗(26)=真正=と同級2位・梅津奨利(27)=三谷大和=が王座決定戦を闘う。

同級は世界ランク上位を日本人選手が席巻しているが、富施は「世界とかはまだ僕が語っていいレベルではないが、日本やアジアのベルトを巻いて、その先の話もできるようになりたいですね」と目を輝かせた。

 また、セミファイナルの東洋太平洋女子バンタム級王座決定戦では、同級2位ぬきてるみ(37)=真正=が同級1位の菊池真琴(38)=DANGAN=を5回TKOで下し、新王者となった。

 両者は昨年6月にWBOアジアパシフィック女子同級タイトルマッチで対戦し、ぬきが3―0の判定で勝利している。24年10月にWBC・WBO女子世界同級タイトルマッチに挑んだ経験もあるぬきは「世界ランキングに入って、世界を取りたい」と意欲を述べた。

 戦績はぬきが16勝(10KO)7敗1分け、菊池が5勝(1KO)3敗1分け。

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