ドジャース大谷翔平投手(31)が15日(日本時間16日)、本拠地・ドジャースタジアム(ロサンゼルス)で行われた全体練習終了後に異例のフリー打撃を行った。屋外ではキャンプ中の2月12日以来、今季2度目。

キャンプ中を除くとエンゼルス時代の23年9月以来2年ぶりで、ドジャース移籍後は初となった。地区シリーズ(S)からは25打数2安打の打率8分で長打なし。不振脱出へきっかけをつかむ。

 全体練習が終わり、人もまばらになったグラウンドに、音楽が鳴り響いた。「Feeling Good」。大谷の登場曲だ。バットを持って大谷が打撃ケージの中に入ると、1球目は空振りでナインを笑わせたが、32スイングで14本がサク越え。最終5セット目には、右翼席最上段の屋根を直撃する推定飛距離150メートルの特大弾も放った。見守っていたロバーツ監督、フリーマン、カーショーらも「ワォ!」と目を丸くして声を張り上げた。

 大谷の屋外でのフリー打撃は極めて異例だ。23年は4度で昨季はなし。今季は2月に1度だけ。

キャンプを除くと、エンゼルス時代の23年9月4日の本拠地・オリオールズ戦以来772日ぶりだ。2年前は右脇腹を痛め同カードを欠場。ドジャース移籍後、キャンプ以外で行うのは初めてで、ドジャースタジアムでは23年7月7日以来だった。

 21年頃から、シーズン中にフリー打撃を行うことは、ほぼなかった。以前に「マイナスになることの方が多いと思う。中(室内)の方がやりやすい」と意図を語っていた。一方、行う意味については「飛ばす感覚は、中ではあまりできない」と口にしたことも。7戦連続本塁打なし。待望の一発へきっかけを探っていることは間違いない。

 地区S以降の6試合は25打数2安打。ロバーツ監督も「あのようなパフォーマンスではワールドシリーズは勝てない」と注文をつけた。猛ゲキに応えるように、力強いスイングを繰り返した。

指揮官の言葉には「逆に言えば、打てば勝てると思っているのかなと思う。頑張りたい」と反応した。

 チームはリーグ優勝決定Sで2連勝。16日(日本時間17日)に第3戦を本拠地で迎え、17日(同18日)の第4戦は先発登板する予定。「そこにまずはフォーカスして臨みたい」。打撃練習前にはブルペンで30球を投げて調整。二刀流でチームを頂点に導くべく、最善の準備を整えていく。(安藤 宏太)

 ◆大谷翔平に聞く

 ―左投手と対戦が多い。

 「分かっていること。そこでしっかり打てるかもそうだし(後続に)いい形でつなげるのが基本的な役割」

 ―打撃の修正点は。

 「ストライクをしっかり振って、ボールを見逃すということ。まず打席のクオリティーをしっかり高めていく。

それが結果的に安打になったり、四球を選んだりになる」

 ―登板翌日の打撃結果が良くない。

 「もちろん(二刀流を)やらないよりは、やっている方が体力的にきつい。それはシーズン中も同じ。直接的に関係しているか分からないし、体感的にはそうではない。あまり関係はないのかな」

 ―第7戦で救援起用もあるとロバーツ監督が言っていたが。

 「その(先発する第4戦)先はあんまり特には考えていないですし、『行け』と言われたら、行く準備だけできれば十分かな」

 ―佐々木の成長は。

 「本当に頼もしい投球を毎試合してくれている。ベンチにいるみんなも信頼して送り出している。安心して見られる」

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