timeleszの寺西拓人(30)が17日、東京・紀伊國屋ホールで開幕した舞台「新 画狂人北斎‐2025‐」(22日まで、同所など)の取材会に出席した。

 2017年に宮本亞門氏が演出し、墨田北斎美術館や英・大英博物館などで初演。

21、23年にも上演された。今回も宮本氏の演出だが、葛飾北斎と幕臣・鳥居耀蔵の対峙(たいじ)を軸に展開するストーリーにリニューアルした。主演の西岡徳馬(79)が北斎を、寺西が耀蔵を演じる。

 寺西は、本格的な時代劇に初挑戦。「所作の先生に教わったり、徳馬さんにもたくさん教わりました。歩き方から何まで学びの日々でした」と充実の表情を浮かべた。役では、グレーの着物にまげ姿。「初めてかつらをつけた時に不安でした。これであっているのかというのは正直ありました。スタッフさんが僕と同じ顔をしていて、その時は合っていなかったのでサイズ感を変更しました。(今は)新鮮で楽しんでおります」とほほ笑んだ。

 もともと、宮本氏が寺西の芝居を見て、「ただ存在することができる役者がいたと大興奮した」ことがきっかけで、同作への起用につながった。

宮本氏は「寺西君が今までやったことないことを全部やらせるのが僕の目的。徹底的に細かいことまでしつこく言いました。寺西君は人がいいから『ありがとうございました』って」と謙虚に挑む姿勢をたたえた。

 寺西と西岡の共演は2度目。西岡は「テラは去年も映画で会って知っていました。感性が豊かな男。鳥居のセリフじゃないけど、『ほめちぎってもな』。本当にほめられる人格。とても幸せです。そういう相手役に巡り合えて」と語った。

 9月16日から今作の稽古がスタートし、5日に西岡が79歳の誕生日を迎えた。1970年に文学座の門をたたいてから55年。

これまで芝居に満足したことは「ないです」とキッパリ。続けて「満足するなんて言えない。いつも下手だなって思います。ダメ出しをもらうと、ありがとうございます。違うと言われたら、ありがとうございます」と明かせば、寺西は「『まだ足りねえ』ってここまでの方が言うなら、こちらはもっと足りない。尊敬します」。49歳上の大先輩から刺激を受けたようだ。

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