◆米大リーグ ナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦 ドジャース―ブルワーズ(17日、米カリフォルニア州ロサンゼルスードジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が17日(日本時間18日)、無傷3連勝で突破に王手をかけて迎えたナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦の本拠地・ブルワーズ戦に「1番・投手」でスタメン出場し、圧巻の3本塁打を放った。9月30日(同1日)のワイルドカードシリーズ第1戦、本拠地・レッズ戦で2発を放って以来、8試合連続でノーアーチだったが、一気に3発を放った。
1回表は先頭のチュラングに四球を与えたが、その後は3者連続三振と圧巻の投球を見せた。するとすぐにグラブをバットに持ち替えた1回裏先頭の1打席目。フルカウントからの6球目だった。先発左腕キンタナの内角の79・2マイル(約127・5キロ)スラーブを完璧に捉えると、右翼席へ飛び込んでいった。打球速度116・5マイル(約187・5キロ)、飛距離446フィート(約136メートル)、打球角度25度という、強烈な特大弾。圧巻の一打で先取点を奪い取った。8試合、40打席連続でアーチは出ていなかったが、9試合、41打席ぶりにアーチを描いた。登板日の先頭弾はメジャー移籍後初めてだ。
4回まで1安打無失点投球を見せて迎えた3―0でリードした4回2死走者なしの3打席目。カウント3―1から2番手右腕・パトリックの内角低めカットボールを捉えると、右翼席上段へ打球速度116・9マイル(約188・1キロ)、飛距離469フィート(約143メートル)の特大弾を運んだ。圧巻の一打を見たフリーマンら同僚は思わず頭を抱えるほどだった。
勢いはまだまだ止まらない。マウンドを降りた後の7回1死走者なしの4打席目もメギルの98・9マイル(約159・2キロ)を捉えて中堅左に打球速度113・6マイル(約182・8キロ)、飛距離427フィート(約130メートル)で3発目を運んだ。1試合3発は24年9月19日(同20日)の敵地・マーリンズ戦以来自身2度目だ。フリーマンはベンチに戻った大谷に大きくお辞儀をして出迎えた。
レッズとのワイルドカードシリーズでの2試合は、9打数3安打で2本塁打も放ったが、フィリーズとの地区シリーズの4試合では18打数1安打の打率5分6厘とブレーキ。19打席で左腕との対戦が16度あり「左打者にとっては思い通りにいかなかった」と振り返ったが、ロバーツ監督は「反省していることを願っている。打席での質をよくする必要がある」、「あのようなパフォーマンスではワールドシリーズは勝てない」と注文をつけるほどだった。
第3戦前日の15日(同16日)には今季の開幕後では初めて志願してフリー打撃を敢行。推定飛距離150メートルの特大弾など32スイングで14本が柵越えと復調へ快音を響かせた。会見ではロバーツ監督の注文に「逆に言えば、打てば勝てると思っているのかなと思うので、頑張りたい」と反応し、「しっかりした打席をまずは送れるように、打席のクオリティーを高めていくというのがまず1番最初にやるべきこと」と静かに闘志を燃やしていた。すると前日の第3戦では1打席目に右翼線へ三塁打を放った。
必死に復調へのきっかけを探す大谷の姿にロバーツ監督も「彼は野球界で最高の選手の一人だ。
久々の快音だが、ポストシーズン5発目で、早くも昨季のポストシーズン16試合で放った本塁打数「3」を10試合で抜き去った。この試合で勝てば、2年連続のワールドシリーズ進出が決まる。