大ヒットドラマ半沢直樹」「下町ロケット」などの原作者として知られる作家・池井戸潤さん(62)の小説「俺たちの箱根駅伝」が、2026年に日本テレビ系で連続ドラマ化されることが18日、分かった。同局での池井戸さん作品の連続ドラマ化は杏(39)、今田美桜(28)がヒロインを務めた「花咲舞が黙ってない」以来となる。

 2年連続で箱根駅伝本戦出場を逃して予選会に臨む古豪・明誠学院大の選手と、中継を担うテレビ局のクルーとの奮闘が繰り広げられる物語。大会を主催する関東学生陸上競技連盟が全面協力の上で、毎年高視聴率を記録する正月の風物詩が描き出される。

 「箱根駅伝の中継ポイントは地名で呼ばれるのに、なぜ(5、6区の)『小涌園前』だけが施設名で呼ばれるのか?」という疑問から構想がスタート。取材を重ね、21年11月から週刊文春で連載が始まるまで十余年を要した。池井戸さんは「学生ランナーはもとより、『箱根駅伝』に関わる全ての人たちへのリスペクトを胸に、彼らに負けない熱量をもってひたすら書いた」。同作品について「もう二度と、こんな小説は書けないでしょう」と断言。渾身(こんしん)の一作とした。

 池井戸さんがこだわったのは「ランナーとして、またそれを支える側に回って『箱根』にかける学生たちの情熱、タスキへの思い。その映像をリアルに届けようと奮闘するテレビマンたちの執念」という。「視聴者の皆さん、そして読者の皆さんも、ひとりのランナーとなってタスキをつなぐ友情と信頼、そして意地と執念がぶつかり合う全10区、217・1キロを駆け抜けてください」と呼びかけた。

 〇…箱根駅伝を舞台にした映像作品として知られるのが、2003年に日テレの開局50周年記念ドラマとして放送された「天国のダイスケへ~箱根駅伝が結んだ絆~」。1997、98年に拓大のメンバーとして出場し、23歳で早世した実在の選手を、福山雅治(56)演じる架空の記者の視点から描いた。

09年には、三浦しをんさんの小説「風が強く吹いている」が林遣都(34)主演で映画化。架空の大学である寛政大学に通う“寄せ集め”のメンバーが箱根出場を目指す物語で、アニメ、舞台化もされている。

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