卓球 ノジマTリーグ(19日、東京・国立代々木第二体育館)

 女子の首位攻防戦。2位の木下アビエル神奈川(神奈川)が1位の日本生命レッドエルフ(日本生命)を3―1で破った。

今季8勝2敗の勝ち点27に伸ばして首位に立った。第1試合のダブルスは長崎美柚、鄭怡静(台湾)組が2―1で逆転勝ちすると第2試合のシングルスで元世界ランク1位の朱雨玲(中国)が3―0で快勝。第3試合は長崎が17歳の面手凛に2―3で敗れたが、第4試合では、張本美和が赤江夏星に3―2で競り勝ち、チームを勝利に導いた。

 世界ランク日本勢トップ7位の若きエース・張本に大声援が飛んだ。アジア選手権(インド)から17日に帰国し、迎えた2連戦の2日目。「8時間以上寝ているから元気です」。2―1の勝負どころで出番が回ってきた。相手の赤江はこれまで張本から白星がなく、サーブなど万全な対策をしていた。「勝っている分、相手は変化してくる」と警戒はしたが、第1ゲームは赤江のペース。「うう、やばい…」と声が漏れるほど珍しい打ちミスもあって、9―11で先取された。

 第2Gも序盤は赤江の勢いに押され、4―6と劣勢だった。だが、この場面でベンチのコーチの父・宇さんの指示もあり早めにタイムアウトを取った。

相手は女子では珍しいYGサーブも織り交ぜてきただけに「レシーブをしっかり」と確認し、再び立ち向かった。しかしタイムアウト明けの1球目でミス。少し焦りが映ったが、そこでホームのファンから「張本頑張れ!」「美和ちゃん大丈夫だよ!」と円形の会場の全方向から大声援。張本は息を吹き返すと持ち前のサーブ、レシーブ力を発揮し、2―2で臨んだ最終Gをジュースの末に12―10で勝ちきった。

 ファンからもらった手作りのヘアピンをうれしそうに報道陣に見せ「今日は自分の戦術とかが良かったというより、自分が頑張ったのは気持ちの保ち方ぐらいで。本当にファンの皆さんが会場を作ってくださった。最終Gも大きな声援や拍手をくださったので、リードされてもやる気がみなぎるというか、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」。試合開始約2時間前から会場前に列をつくり、ともに戦った1306人の観客に笑顔の勝利を届けた。

 今後は23日から本戦が始まる世界ツアー、スターコンテンダー・ロンドンに向かう。海外遠征しながら、今季リーグでは4戦4勝と強さを見せる張本。「やっぱりTリーグは楽しいですね。勝っているから負けたら気持ちは違うのかもしれないけど…海外だとこんなに応援して下さる方はいないので。

Tリーグは今日みたいにすごい応援してくれるのがめっちゃうれしいです。なんかTリーグの時の自分の方が強いです、たぶん!」と試合後は大声援の“余韻”に、思わず笑顔がこぼれていた。

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