◆明治安田J2リーグ 第33節 札幌2-0富山(19日・富山県総合運動公園陸上競技場)

 北海道コンサドーレ札幌が3試合ぶりの勝利を挙げ、J2残留条件となる17位以上を確定させた。アウェー・富山戦はMF高嶺朋樹主将(27)が前半20分、後半23分と左ミドルを2本決め、2―0で勝利した。

****

 残留争いをしている富山にしっかり勝てたのは大きかったが、内容的には正直言って、J1に上がったらどうだというものではなかった。2得点の高嶺は、シュート技術やボールをもらう前からその先をイメージする能力などクオリティーの高さで違いを見せた。それがあったから勝ちに結びついたが、前線の選手の輝きが少ないなと。どことなくチームとして盛り上がりに欠けているような雰囲気が気になった。

 攻撃時の司令塔的な選手がいないことが要因にあるのかなと。個人の問題ではない。誰かがボールを持った時、全員が関わる意識を持たないと。一人が持っている時に周りは止まっている場合ではない。少しでも動き、サポートするという作業を全員が細かくしていく。そうなってくればもっと攻撃は活性化され、個人的にもっと違いを見せられる能力があると思っている青木や長谷川らが生きてくる。全員が献身的にやらないとチャンスはつくれない。

 残り5試合、自分はチームにとって本当に必要とされているんだというプレーを、おのおのが出していってほしい。

上を目指している以上、自分の力をピッチの中でしっかり証明していくこと。高嶺も序盤は批判されもしたが、その声を黙らせるだけのプレーを見せているのだから。J2は決して簡単なリーグではないと分かったはず。厳しい環境にいるということを改めて感じ、取り組んでいってほしい。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)

編集部おすすめ