歌舞伎俳優の松本幸四郎が20日、都内の稽古場で11月の歌舞伎座公演「吉例顔見世大歌舞伎」(11月2~26日)の夜の部「歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン) 幕を閉めるな」の取材会に三谷幸喜氏、中村獅童片岡愛之助坂東彌十郎、中村鴈治郎らと出席した。

 三谷氏が脚本・演出を手掛ける三谷かぶきの6年ぶりとなる第2弾。

三谷氏が主宰する劇団「東京サンシャインボーイズ」に書き下ろした現代劇のコメディー「ショウ・マスト・ゴー・オン 幕を降ろすな」を歌舞伎化する。三谷氏が「僕がやるべきことは、笑いに特化した歌舞伎。これって、歌舞伎なのかな?」と不安そうに尋ねると、幸四郎は「ど真ん中の歌舞伎です」と力を込めた。

 徹底的に笑いにこだわり、三谷氏は「笑いに満ちたコメディーをやりたい。僕が知っている歌舞伎役者はコメディアンとして優れている。こんなに笑いのセンスがある役者がそろっている劇団はない」。幸四郎も「ワクワクしています。お芝居や舞台を愛している人ばかりが登場する物語です。三谷さんを100%信頼しています。どうやるかは役者次第」とアピールした。

 劇場の裏側を描いたバックステージもので、現代劇ではシェークスピアの「マクベス」を題材にしていたが、歌舞伎では「義経千本桜」の裏側を描く。現在、歌舞伎座で「通し狂言 義経千本桜」が上演中だが、三谷氏は「こっちの方が面白い」。

獅童も「歌舞伎は元々、庶民の娯楽ですから、気楽に見に来てほしい。歌舞伎を最初に見る作品として、いいと思います」と呼びかけた。

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