16日に虚血心不全のため亡くなった音楽プロデューサーの疋田拓さん(享年83)の通夜が20日、都内でしめやかに行われた。フジテレビ「夜のヒットスタジオ」など長きにわたり音楽番組を手がけ、瀬川瑛子ら歌手の他、音楽関係者らが参列した。
瀬川は疋田さんが演出などを務める「夜の―」を始め、BS朝日「人生、歌がある」などに出演。疋田さんとの思い出を聞かれると「デビューから58年経つけど、(疋田さんの番組に)よく出させてもらえるようになって」と回想。「人生―」の収録日に声が出なくなることもあったが「これから先も歌を続けるなら、自分で後悔しながら歌うのは辛いし、疋田さんがいつも呼んでくださってこんな歌(声)じゃ何もお返しにならない」とすぐに手術を決めた。
瀬川は自身の復帰後も疋田さんと仕事する機会があり「(昨年5月に発表した楽曲)『めおと浜唄』を気に入って、喜んでくださった。『若く写っているよ』って。努力していつまでも良い歌を届けたいと思った」と思いを明かした。最後に対面したのは数週間前。体調に異変があるようには見えなかったという。急死だったことから「(会場内にいた番組)スタッフの方も肩を落としていらっしゃった」と明かした。
ここまで気丈に話していた瀬川だが「70代後半の歌い手を出してしていただいて、いつかお返しがしたい。『瀬川さん歌良かったよ』と言われたい」と語り、涙を流した。
式場には研ナオコや川中美幸、氷川きよしら著名人から贈られた多くの供花が飾られた。