東京2025世界陸上財団は21日、東京・新宿区内で大会閉幕後初めて定例理事会を開いた。

 21年の東京五輪では国立競技場横にある明治神宮外苑軟式グラウンド上に仮設のサブトラックを設置したが、今大会では国立から少し離れた代々木公園陸上競技場と東大陸上競技場をウォームアップ会場に設定。

レース各組につき1台という形でバスを運行し、円滑な輸送によって競技開始の遅延が0だったと報告された。

 競技運営室長も務めた石井朗生スポークスパーソンは「サブトラックが離れている状況は今までどの大会でもなかったと思う。不慣れな状況に対していろんな意見や不満が0であるはずがない」と話した。その上で「その(バス移動)前提で東京は提案をして開催が認められているので、それを変えようがない。バス輸送をどれだけ円滑にやるかことを徹底してやってきた。順調にいけたと思う」と一定の評価を示した。

 円滑に進められた点として「国立競技場のバックスタンド下にある屋内走路近くまでバスを走らせて、選手がコール(招集)を受けやすいようにしていた」と明かした。またコールが終わり、競技場内に入るまで若干余裕を持たせていたという。「バスの移動時間に余裕を持たせたクッション的な役割があるが、その時間を使って動きたい選手は屋内走路で多少動いてもらっていた」と説明。バスが想定より遅れたケースもほとんどなかったという。

 ウォームアップ会場では「選手がバスに乗っていなくて、レースに出られなくなってしまいそうなケースがあった」と多少の緊急事態はあったものの「何とか財団職員やボランティアの皆さまが探し回ってくれた」と選手がレースに間に合わない最悪の事態は回避した。石井氏は「財団職員やボランティアの皆さまの奮闘があって成り立ったから」と感謝を示した。

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