巨人の山崎伊織投手(27)が21日、3年連続の2ケタ勝利達成にも甘んじることなく、来季のさらなる飛躍を誓った。G球場で練習を行った右腕は「やりきったなって感じはそんなにない。

毎年なんですけど、来年が不安になる。来年大丈夫かな、と思いながらまたやっていきたいです」と前を見据えた。

 謙虚な思いが向上心につながっている。今季は25試合に登板しチームトップ&キャリアハイとなる11勝(4敗)、防御率2・07と好成績を残した。「大勢とか佐々木朗希くんみたいに球が速いとか、誰が見てもすごいと思う球が僕にはない。いろんなものを含めて抑えにいく。すごい人は能力で抑えることもできるけど、僕はそこまで強くない」。自らを厳しい目で見ているからこそ、トレーニングや打者の分析などを全力でやってきた。

 大きな収穫もあった。「甲斐さんという新しいキャッチャーが来て、試合に入る準備、姿勢、考え方、その試合の反省を次にどうつなげるかは今までよりも新しく迎えられていた」。準備に力を入れる甲斐に刺激を受け、今までより打者についても、自分についても考えた。「よりいろんなことを考えて打者を抑えていけるようになった。

それは岸田さんと組む時にも生かされた」とうなずいた。

 リーグ優勝を逃した悔しさを胸に、このオフは汗を流す。来季は球団では17~20年の菅野智之以来となる4年連続の2ケタ勝利がかかる。「キャンプでしっかりとアピールして、また開幕のローテーションに入りたい」と最後まで謙虚だった背番号19。満足することなく上を目指し続ける。(水上 智恵)

 【記録メモ】 巨人投手で4年以上続けて2ケタ勝利は、66~78年に13年連続の堀内恒夫を筆頭に、17~20年に4年連続の菅野智之まで19人が記録している。

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