2022年10月に交通事故に遭い死去したザ・ドリフターズの仲本工事さん(享年81)の妻で歌手の三代(みだい)純歌が、事実に反する報道で名誉を傷つけられたとして、複数の週刊誌の発行元に計8250万円の損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が22日、東京地裁で開かれた。

 この日の口頭弁論は「女性自身」の発行元である光文社が被告。

三代は4400万円の損害賠償を求めている。2回目の今回は、記事を執筆した記者や情報を提供した人物など計4名が証人として出廷した。被告側は複数の取材相手から同じ証言が出ているなどの観点から、名誉毀損には該当しないという姿勢を示した。

 一方、原告の証人尋問では三代が双方からの質問に対して陳述を行い、記事に掲載された内容を強く否定。閉廷後の取材では、「本当のことが言えて、ちょっとスッキリしました」と安堵の表情を浮かべた。裁判の手応えについては「証拠として向こう(被告側)は出せないものが多いけど、こっちは証拠として出せるものが多い」と自信をのぞかせた。

 三代は虚偽の情報が世に放たれ、誹謗(ひぼう)中傷を受けることは社会問題でもあると主張。「報道の自由って、いろいろと書くのは自由なのかもしれないですけど、一人の命を脅かすようなことを書いてはいけない。携帯を見れば国民ひとりひとりに情報がわたる状態なので、本人を死に追いやるような、いじめはやめてもらいたいがために立ち上がった」と語気を強めた。さらに「週刊誌の嘘で固めたことは、全て明るみになるように願うばかり。悪意を持って人をおとしめようとかは許せないので、絶対に(ウソを)暴いていきたいと思います」と粘り強く裁判に臨む思いだ。

 今後は12月22日にウェブ会議にて訴訟の和解協議、1月21日に第3回口頭弁論が行われる予定。

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