俳優の大沢たかおが、2027年のNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」(松坂桃李主演)で勝海舟役を演じると23日、同局が発表した。大沢は「花の乱」(1994年)、「花燃ゆ」(2015年)に続き、3回目の大河ドラマ出演になる。

 勝は主人公・小栗忠順(松坂)と最も対極にいながら最も理解し合ったライバル。「幕臣」とは名ばかりな無役の貧乏旗本出身。苦労しながら蘭学を身に着け、「咸臨丸」艦長として太平洋横断を成し遂げるが、それは、小栗たちが率いる幕府初の遣米使節団に随行してのこと―。エリートの小栗とは圧倒的な身分の差があったが、開明派同士で時に手を組み、西洋列強の脅威に立ち向かう。

 大沢は「本作は、これまで“維新の英雄たちの物語”として語られることが多かった幕末の歴史を、“逆賊”と呼ばれた幕府の人々の視点から描く作品です」と説明。その上で「勝海舟は、小栗忠順らと共に歴史の変革期に諸外国や倒幕派と真正面から向き合い、日本の未来を見つめ行動した人物でした。激動の時代に、何を信じ、どう未来へ希望の橋をかけるのか。その問いは、今を生きる私たちにも通じるのではないかと感じています。海舟が抱き続けた信念と向き合い、心を込めて演じていきたいと思います」とコメントした。

 主演の松坂は「この仕事を始めて間もない頃、『GOEMON』という映画で大沢さんの霧隠才蔵を見て、あまりの格好良さに痺(しび)れて動けなかったのを、今でも思い出します」と回想。「勝海舟役として大沢さんのお名前を聞いた時には、うれしくて心躍りました。小栗にとって、同志でありライバル的な存在でもある勝海舟を、どのように見せてくださるのか、今から楽しみで仕方ありません。

お互いの存在や考えを感じつつ演じていければと思っています。大沢さんと共に『逆賊の幕臣』を創り上げていけることを誇りに思います」と喜んだ。

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