NHKは24日、女優の見上愛と上坂(こうさか)樹里がダブルヒロインを務める、2026年度前期のNHK朝の連続テレビ小説「風、薫る」の第5次出演者発表を行った。

 追加キャストとして明らかになったのは、多部未華子、髙嶋政宏、二田絢乃、中田青渚、井上向日葵、丸山礼、研ナオコの7人。

 “鹿鳴館の華”と呼ばれた、時代を象徴する貴婦人・大山捨松(おおやま・すてまつ)を演じる多部は、自身がヒロインを務めた「つばさ」(09年)以来の朝ドラ出演。「朝ドラのヒロインを務めさせていただいたのは…もう16年も前?!と昔のことで驚きを隠せません」と明かし、「当時お世話になったスタッフの方が今回の現場にもいらして、少しでも成長した姿を見せなければとただならぬプレッシャーを視線から感じております」と素直な思いをコメント。

 「ヒロインのお2人に影響を与える、とても素敵な役どころであることにとっても緊張しており、今からドキドキしています。スタッフの皆様や役者さんたちの力をお借りしながら素敵な作品の一部になれるよう精一杯努めたいです」と意気込んだ。

 作品は、看護がテーマのひとつとなっている。2019年に結婚し、21年に第1子を出産した多部。看護に関わる仕事との接点や思い出などを問われると「入院経験はほとんどない私ですが、出産時の看護師さんにはたくさん救われたことを数年経った今も鮮明に覚えています」と回想。「初めての経験ばかりで戸惑い、全身が痛かったりする中で、ほんの些細な声かけやアドバイスに何度も何度も助けられました。白衣の天使という言葉がありますが、まさにその名の通りだと思います」と語った。

 お笑いタレントの丸山は朝ドラ初出演。りんの家の隣人である中山マツ(なかやま・まつ)を演じる。「まさかお役目をいただけるとは! 台本を読んで異なる生い立ちのりんと直美の2人の人生軸が、ふっと交わる瞬間に思わず声が出るほど高揚しました!『これが朝ドラの主演が2人いるということだ』と期待に胸が膨らみ、その人生軸に交わることができ、りんの生活に寄り添うマツという役を大切に務めたいと思いました」とコメント。

 謎に包まれた神出鬼没の占い師・真風(まじ)役の研も朝ドラ初出演で「最初にお話をいただいた時、『私に?』って耳を疑いました。この役に私を指名していただけたと言う事は大変光栄なことです。そして芸能界デビュー55周年目という縁を感じました。自分の経験と勘を発揮できるよう一生懸命務めさせていただきます」と誓った。

 大山捨松の夫・巌役を髙嶋が演じる。鹿鳴館の給仕では松山ふさ役を二田、河合志麻役を中田、木村佐保役を井上が務める。

 制作統括の松園武大チーフ・プロデューサーは「明治初期の欧化政策の象徴とも言える鹿鳴館。その代名詞的存在として知られる大山巌・捨松夫妻と鹿鳴館で働く女性たち。そして、謎に包まれた占い師とユニークな隣人を今回発表いたしました」と説明。「一見、二人の主人公と交わりそうにない面々ですが、どう出会って、二人にどんな風を吹かせてくれるのでしょうか。 撮影は順調に進んでおります。チーム一丸となって共感していただけるドラマをお届けしますので、放送開始はまだ少し先ですが、ご期待ください」としている。

 114作目となる朝ドラ「風、薫る」は、まだ女性の職業が確立されていなかった明治時代に、正式に看護学を学んで「トレインドナース」となった、大関和さんと鈴木雅さんがモデル。女優の見上愛と上坂樹里がダブルヒロインを務める。見上は不運が重なり、若くしてシングルマザーになった看護師・一ノ瀬りん役。上坂は、生まれてすぐに親に捨てられ、教会で育った大家直美役。2人のヒロインが登場する作品は08年後期「だんだん」以来となる。

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