聖武天皇のご遺愛品など、色鮮やかな天平文化を現代に伝える「第77回正倉院展」(主催・奈良国立博物館、特別協力・読売新聞社)が25日~11月10日、奈良市の奈良国立博物館で開かれる。今年は67件を展示。

読売テレビの中村秀香アナウンサーが、今年の宝物の魅力を語った。

 出展される67件の宝物の中、中村アナは香木の「黄熟香」に魅了されたという。「今年、『正倉院 THE SHOW』(東京、大阪での展覧会)で司会を担当したのですが、香りが再現されていて、私も実際に嗅がせていただいたんです。シナモンのような独特な甘さや、ちょっとスパイシーな大人っぽい香りを感じられたので、これが一番気になりました」

 1000年以上の歳月が経過しながら、いまだに香りが残っていることも驚きだったという。「学校で勉強したり、歴史の書物を読んだり、文字から歴史を知るということが多かったんですけど、香りでその時代を感じられることは今までになかった。それがすごくロマンを感じて素敵だなと思います」と身を乗り出す。日常生活でも香りにこだわりを持ち、自宅でお香をたき、日々のストレスや疲れを癒やしている中村アナならではのチョイスとなった。

 神秘的な香りに引き寄せられる中村アナ。正倉院展の開幕が近づくと、秋を感じるという。「聖武天皇をはじめ、愛してきたもの、そうした思いをすごく身近に感じられる本当に貴重な機会」。自身の子供は3歳と1歳で博物館や美術館のデビューには少々早いが、「もう少し大きくなったら一緒に行って、身近なものに感じてほしいと思っています。奈良観光も兼ねて、家族で正倉院展に行ってみたいですね」と母親の顔をのぞかせた。

 ◆黄熟香(おうじゅくこう) ジンチョウゲ科の樹木に樹脂が沈着してできた香木。「蘭奢待(らんじゃたい)」(文字に「東大寺」の3文字を隠した雅号)とも呼ばれ、名香として名高い。ベトナムからラオスにかけての山岳地帯で産出されたものと成分が近いとされる。多数の切り取られた痕跡があり、うち3か所には足利義政や織田信長、明治天皇が切り取った旨を示す紙箋(しせん)が付属する。近年の調査によると香気成分は残存しており、現在も香りを留めているという。

 ◆中村 秀香(なかむら・ひでか)大阪府出身。神戸女学院大学卒業後、2017年に読売テレビに入社。「朝生ワイド す・またん!」を担当後、22年6月に産休、育休に入り、25年5月に復帰した。現在は「ZIP!」関西パート水曜日を担当。愛称「ひでちゃん」「なかむー」「ひでからす」。血液型B。

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