東都大学野球秋季リーグ戦最終週最終日 ▽青学大3―0亜大(24日・神宮)

 中日がドラフト1位で指名した青学大の中西聖輝(まさき)投手(21)は、亜大戦に先発し12奪三振完封。同校の6季連続18度目の優勝に貢献した。

 喜びを抑えきれなかった。9回2死。最後の力を振り絞り145キロの直球で見逃し三振を奪った中西は、くるりとセンター方向に体を向け、片膝をついて万歳した。専大、亜大に続き史上3校目の6連覇。「はじめは何もしないつもりだったのですが…。皆が僕に向かって来てくれる。ゼロで抑えての優勝はうれしかったし、特別な思いで皆を待ちました」。負ければV逸という決戦で快投。2度目の最高殊勲選手賞に輝いたエースの周りに歓喜の輪ができた。

 苦難を乗り越えてつかんだ18度目の優勝だ。右肘の炎症のため、第3、4週目の登板を回避。27日ぶりの復帰先発となった21日の亜大1回戦は、延長10回にサヨナラ負けを喫した。

「エースとして情けない試合。でも、僕が諦めたりしてしまうと、チームが終わってしまう」。安藤寧則監督(48)が肘の状態を心配するなか「行かせてください」と志願してマウンドに上がった。

 視察した中日・井上監督の期待に応える127球の完封劇。「100点のピッチングではなかったのですが、よかったと思います」とはにかむと、ドラゴンズの一員になる日に思いをはせ「初めから戦力になることが目標です」と宣言した。

 ドラフト1位という夢をかなえた翌日に最高のパフォーマンスを披露し、心の強さも示した。「僕たちは『アマチュア最強』と言いながらきたチーム。この試合に勝つということで、野球に集中できました」。智弁和歌山と青学大でともに全国制覇を経験し、リーグ戦の通算成績は17勝3敗。出場が決まった明治神宮大会(11月14日開幕、神宮)でも有終の美を飾る。(浜木 俊介)

 ◇東都6連覇 1939年春から41年秋の専大、2011年秋から14年春の亜大に続き、史上3校目。

 ◆中西 聖輝(なかにし・まさき)2003年12月18日、奈良・橿原市生まれ。

21歳。智弁和歌山では3年夏の甲子園でエースとして優勝に貢献。青学大では2年春にリーグ戦デビュー。3年時には「大学4冠」に貢献し、高校と大学で日本一に輝く。今春リーグ戦はMVP、最優秀投手、ベストナイン。182センチ、92キロ。右投右打。

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