J1の京都は25日、鹿島との試合(サンガS)を迎える。残り4試合の時点で勝ち点差は5。

両チームにとって、リーグ優勝に向けて大きな意味を持つ直接対決となる。

 19日の前節、湘南戦(レモンS)では1―1で引き分け。先制を許し、DF鈴木義宜が前半アディショナルタイムにピンチを阻止して退場、後半は10人で戦うという苦しい状況が続いた。その状況で後半アディショナルタイムに追いついたが、鹿島は神戸と引き分けていたこともあり、初優勝に向けては悔しいドロー。それでも、副主将を務めるDF福田心之助は「開き直っているというか。反省は必要ですけど、前節にとらわれるよりは次に向かわないと」と勝ちかそれ以外か、をはっきりさせて挑む鹿島戦に腹をくくった。

 失点にも絡む結果となった湘南戦。常に勝ち点3を、という意識はある。大前提を踏まえて、残留争い、優勝争い、立場は違えど、勝ち点への意識はシーズン終盤で明確な意味合いとともに強まっていく部分はある。福田も「慎重になったというか、見過ぎだというか。重く受けすぎた」と、前節を振り返った。鹿島戦での答えは、二つにひとつ。

4月の前半戦は2点ビハインドから逆転し4―3で勝利している中「前節みたいなゲームになってはいけないですし、前回対戦でいえば0―2からひっくり返しましたけど本来2点前半に取られてしまっていることが自分たちにとって大きなアドバンテージになる。まずは失点しないことが大事になる」と、真正面から組み合って相手を上回る。

 福田にとっては、個人的な思いもある。明大からプロデビューした2023年2月18日。開幕節・鹿島戦の先発に名を連ねた。後半23分まで出場したが、0―2で敗戦し、自身も「本当になにもできずに終わった苦いデビュー戦は今でも覚えている」と話した一戦から、2年と8か月。「今回はJリーグの優勝がかかったという中での対戦で、本当に人生の節目節目で鹿島が目の前に来る。これもまた1つの巡り合わせだと思う」と高揚感を抑えるように、笑みを浮かべた。「3年前とはまるで違った自分を出して、今回もホームでできるのでいい意味で自分が充実して満足できるゲームにできればおのずと勝ちは近づいてくると思う」。自身がプロとして歩んできた成長の跡も示す一戦にする。

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