◆SMBC日本シリーズ2025第1戦 ソフトバンク1―2阪神(25日・みずほPayPay)

 「SMBC日本シリーズ2025」がみずほペイペイドームで開幕した。阪神(セ・リーグ1位)が、ソフトバンク(パ・リーグ1位)に逆転勝ち。

1点を追う6回に森下の内野ゴロで同点に追いつき、佐藤輝明外野手(26)のシリーズ初適時打となる二塁打で勝ち越した。先発・村上頌樹投手(27)は7回6安打1失点で、23年のシリーズ開幕戦に続く白星。チームは日本シリーズ(S)の敵地・福岡でのホークス戦の連敗を7で止め、初勝利を挙げた。

 獲物が飛び込んできた。阪神・佐藤輝は、外角低めのチェンジアップが大好物だ。右中間に弾んだ打球で二塁を陥れると、何度も両手を叩いた。「チャンスで回してもらったので、しっかり打ち返すことができて良かった。いい形で、いいところに落ちてくれた」。誇らしげに胸を張った。

 主役の出番は、森下の遊ゴロで追いついた直後の6回1死三塁だった。有原の4球目、3ボールから一球で仕留めた。待望の勝ち越し打だ。

「1点が入ったので、次の1点を取りたかった。チームとして複数得点できて良かった」。3打席目でやってきた、わずかな隙を突いた。猛虎の4番はチャンスを逃さなかった。

 CS最終ステージの3試合11得点のうち、クリーンアップが10打点を叩き出した。日本Sでもその流れは止まらず「いい攻撃ができた」と胸を張った。頂上決戦では初の適時打が、試合を決めた。敵地・福岡でホークスとの日本Sは03年から7戦全敗だったが、負の歴史に終止符を打った。

 15年前は同じ福岡で“脇役”を選んだ。小学6年の10年12月、タイガースジュニアに選出。当時のヤフーD(現みずほペイペイ)でNPBジュニアトーナメントでベンチ入りメンバーだったが、三塁コーチャーを務めていた。理由は右肘痛。

何度、周囲に勧められても完治を最優先に考え、出場を拒んだ。11歳で将来を見据えて、自身が下した決断。同じタテジマで、まばゆい輝きを放った。

 日本Sで敵地での初戦に勝ったチームは、これで33度目。過去32度のうち、23年の阪神など23度優勝しており、優勝確率は72%だ。85年、23年の過去2度の日本一は、いずれも敵地開幕で初戦をモノにしている。大きすぎる白星スタートに「いいんじゃないですか。またしっかり準備して頑張りたい」と言葉に力を込めた。ポストシーズンはここまで無傷の4連勝。勢いそのままに、頂点まで駆け上がる。(直川 響)

 ▼T4番初戦V打は2人目 初戦の勝利打点は4番の佐藤輝。阪神の4番打者の決勝打は、64年〈3〉戦の遠井吾郎、85年〈5〉戦の掛布雅之、03年〈5〉戦桧山進次郎、14年〈1〉戦ゴメス、23年〈4〉戦大山に次いで6人目。

初戦にV打はゴメスに次いで2人目だ。

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