◆明治安田J1リーグ 第35節 清水1-0東京V(25日・アイスタ)

 清水エスパルスはホームで東京Vと対戦し、1―0で5試合ぶりの勝利を挙げた。前半18分、オウンゴールで先制。

前節の川崎戦(18日)は今季ワーストの5失点を喫したが、この日は引き締まった守備で4試合ぶりの完封で締めた。勝ち点を44に伸ばして12位に浮上。3試合を残し、18位・横浜FCとの差を12に広げてJ1残留を確定させた。次は11月9日にホームでC大阪と対戦する。

 最低限のミッションをクリアした。清水は3試合を残しJ1残留を確定。来年2月から6月までの特別シーズンは昇降格がないため、1年半をトップリーグで戦うことができる。秋葉忠宏監督(50)は「ここから4連勝すれば(目標の)10位にも届く。この先も期待を持ってもらえるような試合をしたい」と力を込めた。

 前半18分、右クロスがFW北川航也の頭をかすめて相手に当たりそのままネットに吸い込まれ先制。記録はオウンゴールだったが、エースは「(自分に)当たってなければあんなに喜ばない」と報道陣を笑わせ、「スカウティング通り。存在意義を示せた」と胸を張った。

 指揮官が「血管が2、3本切れそうな試合」と振り返ったように、シュート数は今季最少タイの4本だったが、粘りが実った。前節は前半37分までに4失点。今週は寄せのスピードや距離感をテーマとし、中央を締めて相手のビルドアップをサイド経由にすることを徹底した。また、監督の指示が届かなかった反省からジェスチャーでの戦術伝達を導入。ミーティングではスタッフ陣が身ぶり手ぶり、顔だけ秋葉監督に合成した動画を用意して意思統一した。この日、ピッチ脇で“サイン”を出し続けた指揮官は「効果はなくはなかった」と失笑した。

 12位に浮上し残りは3試合。北川主将は「来季につなげるがテーマ」と意義を強調した。(武藤 瑞基)

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