◆米大リーグ ワールドシリーズ第2戦 ブルージェイズ1―5ドジャース(25日、カナダ・オンタリオ州トロント=ロジャーズセンター)

 ドジャース・山本由伸投手(27)が25日(日本時間26日)、ワールドシリーズ(WS)第2戦の敵地・ブルージェイズ戦に先発し、2試合連続の完投勝利を挙げた。105球で4安打1失点、1死球8奪三振。

ポストシーズン(PS)では3試合連続完投した01年のC・シリング(Dバックス)以来24年ぶりの快挙となり、ド軍の選手がWSで完投したのは1988年のO・ハーシュハイザー以来37年ぶりだった。

 ドジャースは1勝1敗のタイに戻して本拠地に帰ることになった。試合後、山本に関するロバーツ監督の一問一答は以下の通り。

 ―山本の投球

 「素晴らしかった。非常に闘志にあふれていて特別だった。今夜の彼は完全に集中していた。シリーズ前に彼は『負けるという選択肢はない』と言っていたが、今夜はその言葉通りの様子を見せていた」

 ―序盤に多くのスプリットを投げ、2巡目に入ると直球を多く使い、最後はカットボールを使っていた

 「それは感覚に基づく読みと対応によるものだ。ヨシ(由伸)の素晴らしい点は左打者にも右打者にも通用する4つの球種を持っていることだ。打者の反応を読み取り、試合中に調整することができる。スミスは見事なリードをしたと思うし、プライアー(投手コーチ)も素晴らしい試合計画を立ててくれた。ヨシがそれを完璧に実行したのだ」

 ―それほど多くのポストシーズン登板経験があるわけではないが、重圧のかかる場面でも常に結果を出している

 「彼は日本でも大舞台で投げてきた。WBCでも投げた。

国の期待を背負って投げるというのは、まさにプレッシャーそのものだ。だからこそ彼のDNAには大舞台で高いレベルのパフォーマンスを発揮し、心拍をコントロールし、冷静に投げ続けることが刻まれているのだと思う。実際、今夜もあと30~40球は投げられたと思う」

 ―どの時点でもしかすると完投できると思い始めたのか

 「初回を見た時点では6回までだと思っていた。打者が積極的にスイングしてくるチームだが、ボールのキレは良かったので、6回までは行けると感じた。球数も理想的な範囲に収まっていたし、フォームや制球に乱れが見られなかったので、そのまま続投させた」

 ―9回の続投について議論することはなかった

 「ああ、そうだ。議論の余地もなかった。当然の判断だった」

 ―あなたは10代の頃にハーシュハイザーを見ており、コーファックスの伝説も知っている。山本のこの2試合を見て、まるで違う時代に戻ったような感覚はあるか

 「ああ、そうだな。山本を見ていると、先発したからには最後まで投げ切るという昔ながらの感覚を持っている投手のようだ。彼は私が許す限り、どこまでも投げようとする。それが彼の意志だ」

 ―ワールドシリーズでは球団37年ぶりの完投

 「最高の気分だ。先発投手が6、7、8、そして9回までも最良の選択肢であると感じられることが何よりうれしい。

完投するには効率の良い投球と、打線を3巡、4巡まで抑える各球種、そしてやり遂げたいという強い意志が必要だ。山本はまさに昔気質の選手で、準備、フォーム、心構えまで全てが徹底している。そういう選手を信じて送り出せるのは本当に楽しいことだ」

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