相撲部屋で作られる料理を総称して「ちゃんこ」と呼ぶ。今回は湊(みなと)部屋の「タコライス」を紹介する。

メキシコ風沖縄料理だ。

 激しい稽古後に、相撲部屋にスパイシーな香りが漂った。序二段の福生龍(25)は「あっさりしていてご飯が進む」とほおばった。ちゃんこを担当していた三段目の諒兎馬(あきとば、26)は「引退した兄弟子が作っていたタコライスがおいしくて、調理を手伝いながら盗みました」と笑った。

 まずはご飯に載せるタコミート作り。細かく切った玉ねぎ2個分を炒め、700グラムの豚ひき肉を豪快に3パック投入。ウスターソースとケチャップは「目分量。濃いめにした方がご飯が進みますから」とかき混ぜた。「甘すぎたらトマトピューレを入れて調節。チリパウダーを少し入れるとスパイス感が出る」と付言。隠し味は「カレー粉もしくはお好みでサルサソースやチリソースを入れてもいい」。汁気を飛ばしてミートソースのようになったら出来上がりだ。

 トッピングはミニトマトを4等分。ニンニク、レモン汁にパセリを加える。「パセリの代わりにパクチーでもいいけど、部屋に苦手な力士が多い。アボカドを入れたらさらにおいしくなる」。各力士がご飯の上に肉、ミニトマト、レタス、細切りチーズの順でお好みの分量でかける。師匠の湊親方(元幕内・湊富士)は「野菜は多めにと指示している」と話し、弟子たちとおいしく頬張っていた。(山田 豊)

 ◆タコライス(5人前) ▽材料 ご飯3合、豚ひき肉500グラム、玉ねぎ1個、ミニトマト1パック、レタス2分の1個、ニンニク適量、細切りチーズ100グラム、レモン汁、ウスターソース、ケチャップ、カレー粉(チリソース、サルサソースでも代用可)、本みりん、サラダ油

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