バレーボールのSVリーグの東レ静岡の小林敦ゼネラルマネジャーが26日、静岡・このはなアリーナで行われた開幕節2試合・東レ静岡―東京GB戦を前に観戦に訪れた大河正明チェアマンと対談。東レ静岡は、昨季SVリーグ発足を契機にプロチームへの移行しており、これまでの成果などを語った。

 対談は、プロ化を目指すリーグ3季目「2026―27シーズン」の参加要件としてある「選手・クラブのプロ化」にも話題が及んだ。東レ静岡は、昨年7月にSVリーグ参入に合わせて「東レアローズ株式会社」を設立。プロ化を進める背景には、繊維事業をはじめ多角的に事業を展開する東レ株式会社の大矢光雄社長が、「BtoB(企業間取引)中心の企業ゆえに一般への認知度が低い」という課題を踏まえて、企業ブランディングを推進したいという狙いがある。

 小林GMは「これまで集客や事業規模といった発想がなく、東レ株式会社から割り当てられた予算をできるだけ使わずに、リーグ上位の成績を目指すという方針だった」と振り返る。その上で初年度は「まずは人を集めることを第一にPRに力を入れました。そういう意味では、選手たちにもプロチームとしての意識が浸透した年度だった」と手応えを語った。

 今後も、バレー教室や地域イベントへの参加、スポンサーへの積極的なアプローチを通じて、地域貢献と集客拡大を両立させていく方針。「1年目は手探りの状態でしたが、継続と改善を重ねながら事業規模をさらに拡大していきたい。昨シーズンの総入場者数は約4万5000人でしたが、今季は最低でも5万5000人を目標にしたい。売上面でも、SVライセンスの基準である6億円以上をクリアしていく」と意気込みを示した。(伊藤 明日香)

 〇…東レ静岡は今季、日本代表選手が不在だ。昨季、ミドルブロッカー(MB)の西本圭吾が退団。

その前にはMB高橋健太郎、アウトサイドヒッターの富田将馬もチームを離れている。これについて小林GMは「いわゆる『箱推し』ですが、どれだけ『東レ静岡』というチームを応援したいというファンを増やせるかが重要。日本代表選手がいないことを逆手にとって、チームを応援する人を増やせれば」と前向きに語った。

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