◆サッカー◇全国高校選手権北海道大会 第4日 ▽準決勝 北海1―0札幌光星(27日・大和ハウスプレミストドーム)

 眠りから覚めたエースの一発で、北海が2年ぶりに決勝へ駒を進めた。札幌光星戦は後半34分、FW増谷(ますや)拓海(3年)が決めたゴールを守り抜き、1―0で勝利。

3連覇を飾った2023年以来の優勝に王手をかけた。

 一瞬の判断がさえた。ゴール前の混戦で、増谷にパスが入った。最初のトラップは「足元に収まりすぎた」と体に近かったが、2タッチ目でシュートを打てる位置にボールを動かした。「パッと見たらコースが空いていたので。ここで取るしかないと」。DFが対応しづらい小さいモーションから放った右足の弾道が、決勝切符を勝ち取る殊勲弾となり「いつもは慌てていたけど冷静に蹴ることができた」。勝利に貢献できた一発をそう喜んだ。

 今大会前まで背番号9だったが、島谷制勝監督(55)から10番を託された。「昨年も2トップの一角として出ていたし、軸になってもらわないと困る」。そう話す指揮官の期待に2回戦、準々決勝は無得点と応えられなかったが、大事な一戦で結果を出した。183センチの大型ストライカーは「歴代の10番の先輩方は試合を決めてきた人ばかり。

責任は感じている」と話す自覚を、しっかりと形として示した。

 11月9日の決勝戦では札幌大谷と対戦する。増谷が中学時代に所属したSC釧路で2トップを組んでいたのが、この日の札幌創成戦(4〇0)で先制点を決めた札幌大谷のFW遠藤煌太(3年)だった。「ずっと仲がよくて、遊んだりもしていた」と思い返す親友と、全国切符をかけて相まみえることになる。増谷は「負けられない。遠藤よりもゴールを決めてやりたい」と気持ちを高ぶらせた。

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