◆米大リーグ ワールドシリーズ第3戦 ドジャース6X―5ブルージェイズ=延長18回=(27日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャースが27日(日本時間28日)、1勝1敗で迎えた本拠地でのワールドシリーズ第3戦のブルージェイズ戦の死闘を劇的なサヨナラ勝ちで制して2連勝で対戦成績を2勝1敗とした。「1番・指名打者」でフル出場した大谷翔平投手(31)は2本塁打を放つなど4打数4安打(2発、2二塁打の4長打)3打点、4申告敬遠を含む5四球の大暴れだった。

佐々木朗希投手(23)は日本人投手8人目となるワールドシリーズ初登板を果たして1回3分の2を無失点で抑える好救援を見せた。試合は延長18回、先頭のフリーマンが中越えのサヨナラホームランを放ち、試合時間は6時間39分の死闘に決着をつけた。

 ドジャースは初回に通算221勝の41歳レジェンド右腕・シャーザーから先頭の大谷が右翼線への二塁打でチャンスを作ったが無得点。2回に1死からT・ヘルナンデスのソロで先取点を奪うと、3回には大谷が2試合ぶりの本塁打となるソロでリードを広げた。

 だが、2点リードの4回には先発のグラスノーが崩れ、二塁手・エドマンの失策もあり、カークに逆転3ランを浴びるなど4点を失って2点を追いかける展開となった。それでも5回には大谷の適時二塁打、フリーマンの適時打で2点を奪って同点。7回には2死走者なしでロブレスキからトライネンにスイッチしたことが裏目に出てゲレロ、ビシェットに連打を浴びて勝ち越された。

 それでも試合を振り出しに戻したのは大谷の一振りだった。1点を追う7回1死走者なしの2打席目。4番手右腕・ドミンゲスの直球を捉えると、左中間席に運ぶこの日2発目のアーチ。興奮気味の大谷は何度も吠えながらダイヤモンドを1周した。1年のポストシーズンで8本塁打を放つのは、2020年にアロザレーナ(レイズ)が10本を放ったのに続く2位タイで、20年シーガーが樹立した球団記録に並んだ。

さらにポストシーズン通算本塁打は11本目となり、10本だった松井秀喜氏(ヤンキース)を抜いて日本人歴代単独トップとなった。

 同点の8回1死一、二塁からは朗希がマウンドに上がってワールドシリーズデビュー。ピンチでのマウンドだったが無失点でしのいで、同点の9回もマウンドに上がった。9回は1安打2四球を与えたが、無失点。1回3分の2で29球を投げ、1安打無失点で抑えた。9回裏は1死走者なしで大谷は申告敬遠。続くベッツの打席で二盗を試みたが失敗した。延長10回はシーハンがマウンドに上がり、2死一塁からルークスの右翼線への二塁打で一塁走者の代走・シュナイダーが本塁打を狙ったが、タッチアウトとなった。同点の延長11回2死走者なしでも敬遠された。

 延長12回表には10回から投げていたシーハンが2死満塁のピンチを迎えると、カーショーが登板。ルークスをフルカウントから8球目のスライダーで二ゴロに打ち取り、絶叫。ベンチに戻ると、今季限りで現役を引退する通算223勝の37歳左腕をロバーツ監督が強いハグでたたえた。

大谷は11回2死走者なし、13回2死三塁、15回1死走者なしでも申告敬遠で歩かされて8打席連続出塁となった。17回2死一塁では勝負も4球連続ボールの四球で5打席連続四球。18回途中からは2日前に105球完投した山本由伸投手(27)もブルペンで準備を始めた。

 あす28日(同29日)に本拠地で行われる第4戦では先発登板が予定されている。試合前にはキャッチボールで調整した。

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