◆米大リーグ ワールドシリーズ第4戦 ドジャース―ブルージェイズ(28日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が28日(日本時間29日)、2勝1敗とリードして迎えたワールドシリーズ第4戦の本拠地・ブルージェイズ戦に「1番・投手」で先発出場。3回に初失点で逆転を許した。

 初回のマウンドは2死から四球と内野安打で一、二塁のピンチを招いたが、5番カークを一飛に仕留めて無失点の立ち上がり。その裏の第1打席ではフルカウントから四球を選んでワールドシリーズ新記録でポストシーズンタイ記録となる6打席連続四球。すでにワールドシリーズ最長を更新している連続出塁は「11」に伸びて、ポストシーズン(PS)記録にも王手をかけていた。

 投手としては2回は3者凡退。味方が1点を先制した直後の3回は1死から1番ルークスにこの日初めて外野へのヒットとなる右前打を許すと、続く2番ゲレロに逆転2ランを浴びた。初回に空振り三振を奪った時と同じ球種のスイーパーが高めに浮いたところを左中間席に運ばれた。ゲレロに対してはエンゼルス時代に通算8打数3安打1本塁打だったが、大舞台でも一発を食らい、これが自身PS初被弾となった。

 前日の第3戦はまさに死闘だった。試合時間6時間39分。最後は5―5の延長18回にフリーマンのサヨナラ弾でドジャースが2勝1敗とした。両軍計44人の選手をつぎ込んだ総力戦。ド軍は25日(同26日)の第2戦で完投勝利した山本由伸投手(27)を延長19回に向けて中1日でブルペンで準備させるほどだった。

 その中でも大谷は伝説となった。第4打席まで二塁打、ソロ本塁打、適時二塁打、ソロ本塁打で4打数4安打3打点。その後は4打席連続の申告敬遠。17回2死一塁も四球を選び、試合をまたいで10打席連続出塁とした。1試合9出塁はPS新記録で、1試合4長打も119年ぶりのワールドシリーズ最多タイ記録だった。

 試合終了は現地午後11時50分。大谷は試合後も試合中につった右脚のケアなどに時間を費やし、日をまたいで午前0時45分頃まで球場に滞在した。試合後の現地放送のインタビューでは「勝ったのが全てだと思うので。早く帰って寝て、明日に備えたいです」と話していた。コンディションは決して万全ではないはずだが、マウンドに上がった。

 この日がPSに入って3試合目の登板。PS初登板だった4日(同5日)の地区シリーズ第1戦、敵地・フィリーズ戦では6回3安打3失点9奪三振で初勝利をマークするとと、続く17日(同18日)のリーグ優勝決定シリーズ第4戦、本拠地・ブルワーズ戦では23年9月の右肘手術後初めて100球を投げ、7回途中2安打無失点10奪三振で勝利投手になっただけではなく、打っては3本塁打と圧巻の活躍を見せた。

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