◆米大リーグ ワールドシリーズ第4戦 ドジャース2―6ブルージェイズ(28日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 前夜に2試合分戦ってしかもフル出場。疲れてないわけはないが大谷は「心は熱く、頭は冷静」を実践していた。

さらにメチャクチャ楽しんでいるように見えた。置かれた状況が悪くなればなるほど力を発揮できる。

 立ち上がりから一喜一憂していなかった。ブ軍打線が積極的に振ってくるのでいろんなボールを散らしていた。一方で6回、投ゴロを処理した際に、一塁へ向けすごい勢いで走ってトスした。シーズン中にはそんなことはなかったはずだ。3戦目に朗希に同じようなシーンがあったけど、まねして「うまいだろ?」などと面白がっているようだった。

 前夜、救援陣が総動員だったので「最低でも7回」くらいに考えていたと思うし、もう少し投げられたはずだ。100マイル(約161キロ)が1球もなかったのは疲れと、長いイニングを目指したからだろう。出力を上げたのは、ゲレロの3打席目くらい。前打席の逆転2ランはスイーパーの制球ミス。肩口からのスライダー系にゲレロは強い。

 7戦目までもつれれば、中3日で大谷が最終回のマウンドに立って、MVPという漫画みたいな結末も十分ありえる。(野球評論家・髙橋 尚成)

編集部おすすめ