◆リーグ杯第4回戦 リバプール0ー3クリスタルパレス(10月29日、英国・リバプール、アンフィールド)

 英国では29日、リーグ杯第4回戦が前日に引き続き6試合行われ、日本代表主将遠藤航(32)が所属するリバプールはホームで日本代表MF鎌田大地(29)が所属するクリスタルパレスと対戦。ベスト16戦で日本代表MF2人がともに先発し、両者ともに90分フル出場を果たした。

 3-0完勝だった。リバプールは控え選手と若手でチームを構成した。するとクリスタルパレスはアンフィールドで格上と言っていいほどの安定した強さを発揮して、リーグ杯第5回戦のベスト8に進出した。

 この完勝劇の中心に鎌田がいた。まずは前半37分、右サイドから体をひねって右足を巻くように蹴ったクロスがゴール前のFWサールの頭にピンポイントで飛んだ。このヘディングはリバプールGKの正面へ。しかしこれがクリスタルパレスの前半終了間際に連続で飛び出した2ゴールの予告となった。

 まずは前半41分、鎌田の鋭い縦パスが入ると、ゴール前に張っていた右ウインバックのムニョスがトラップ。このボールをリバプールCBゴメスが右足で引っ掛けると、こぼれ球がサールの足元へ。サールが落ち着いて左足で流し込み、クリスタルパレスがあっさり先制した。

 2点目はこのゴールのわずか4分後となる同45分。これも鎌田の縦パスが起点。

まずはサールがヒールでさばき、ピノとワンツーを決めて、リターンボールにサールが右足を合わせてゴール。これで試合が決まった。

 まるで中盤の底から攻撃の起点となりまくったかつてのイタリア代表MFピルロのような司令塔ぶりだった。

 今季は完全にクリスタルパレスのレギュラーを勝ち取った鎌田は「自分のやるべきことがしっかりとできていると思う。ゴールやアシストという数字はなかなかつかないですけど、やらなくてはならないことができているんで、試合には出続けられていると思います」と語り、この試合でもきっちりとゴールの起点となった自分のプレーに手応えを感じていた。

 そして今季の好調の原因を「守備の位置取りだったり、ボールを動かす上での自分の狙いだったり、スペースをうまく消す部分だったり、そういうところがかなり良くなっていると思う」と話し、「いいバランスが取れている」と続けて3-4-3中盤中央でのプレーに慣れたことが大きいと明かした。

 またパサーとしての存在感はダブルボランチでコンビを組む21歳MFの存在が大きいという。

 「僕の横に若いけど、アダム・ウォートンというパスがうまい選手がいる。彼のプレーが勉強になる。目の前でそういうパスを見ることが自分にもいい刺激になっているんじゃないかと思う」

 クリスタルパレスは後半も完全に試合を支配。リバプールの18歳DFナロが後半34分に一発レッドカードの退場となると、ピノが同43分にダメ押しの3点目を奪取して完勝に花を添えた。

 鎌田は最後に「昔から今のプレースタイルのような選手になるべきだと常に言ってきた中で、そういう選手になりつつある」と語り、来年のW杯を目前として自分のサッカーが完成しつつあることを力強く示唆して、アンフィールドを後にした。

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