名牝の乗り味がいまでも忘れられない!JRAの戸崎圭太騎手30日に自身の公式YouTube「戸崎圭太のベリベリチャンネル」を更新。今回は「戸崎圭太のこの馬を語らせて下さい」という企画で、国内外のG1・9勝などを挙げたアーモンドアイに騎乗した印象などを振り返った。

 戸崎が「レースで騎乗したのはクリストフ・ルメールと僕だけということで、貴重な経験をさせていただきました」と思い出のレースのひとつとして取り上げたのが、アーモンドアイを重賞初勝利に導いた2018年のシンザン記念だった。アーモンドアイは現役時代に国内外で15戦11勝(うち海外1戦1勝)の成績で引退。クリストフ・ルメール騎乗が主戦を務めたが、デビューから3戦目にあたる2018年のシンザン記念だけは戸崎騎手が騎乗している。

 雨が降っていたシンザン記念は馬場が稍重。3番枠からスタートしたアーモンドアイは発馬のタイミングが合わず大きく出遅れたが、戸崎は「一番後ろからになったんですけども、それでも安心して乗っていられるという手応えを今でも覚えています」と回顧。4コーナー地点でも11頭立ての後方9番手を追走していたが、直線で外に出すと1頭だけ次元の違う末脚を繰り出し、内で粘るライバルをとらえて、1馬身3/4差で悠々とゴールを駆け抜けた。

 追い切り時に騎乗した時から「芯もしっかりしているし、『この馬ちょっと違うな』と感じていましたので、出遅れても落ち着いて乗っていられた」と当時の感触を思い出した戸崎。「あの頃は若さを感じていて、ゲートの中もやっぱり焦っているというか、繊細な部分があるなというのは感じていました。その後を見ていると、だんだんどっしりしてきた」「最初からいいものは持っていましたし、精神的な部分の成長の方が大きかったんじゃないかと僕は感じています」と、その後の活躍につながったメンタル面について言及した。

 これを最後に一度も騎乗できなかった戸崎は「シンザン記念のあとも乗りたかったなあと、ずっと待っていたんですけどね」と笑いながら振り返り、改めて「素晴らしいですよ。一歩一歩が大きい馬」「スーパーな馬ってあんまり条件を気にしない」など名牝の乗り味を絶賛していた。

 今回の企画ではアーモンドアイのほかに、ストレイトガール、シャケトラ、アカイトリノムスメ、カピリナ、サンマルティンについても貴重なエピソードを披露している。

編集部おすすめ