ドジャース・大谷翔平投手(31)が、ワールドシリーズ(WS)逆転での世界一へ切り札となる。ブルージェイズに2連敗して2勝3敗。
絶対に負けられない戦いのため、敵地へ乗り込んだ。10月28日の第4戦で7回途中93球を投げた大谷は、全体練習で約15分間のキャッチボール。投手としての調整を行った。第4戦の試合後に「全試合必要であれば準備したい」と口にしていた通り、第6、7戦での登板へ向けて備えた。
逆転世界一へ、二刀流の力をどうチームに還元するのか? ロバーツ監督はカギを握る「投手・大谷」の起用法について「私たちは全てのことについて話し合う」と説明。キャッチボール後にはプライアー投手コーチ、マクギネス投手コーチ補佐にトレーナーらも加わって5分近く話し合うシーンもあった。DHとして先発していることを前提に、投手での起用法には3つの可能性が考えられる。
〈1〉第6戦救援登板 2試合連続完投中の山本が先発。大谷は中2日となる。
〈2〉第7戦オープナー起用 最終戦にもつれ込めば、第3戦から中4日でグラスノーが先発予定。だが、先発投手は降板後にDHに残れる「大谷ルール」を利用し、オープナーとして先発して短いイニングを投げる形であれば打線への影響は少ない。ただ、不安視される救援陣の厚みを増すことにはならない。先発起用の可能性を問われた指揮官は「全てを検討する」と、こちらも否定はしなかった。
〈3〉胴上げ投手 敵地でのゲームのため、リードして迎えた裏の攻撃でマウンドに上がり、試合を締めくくる「23年WBCパターン」の登板。クローザーならDH解除の影響もなく、佐々木をセットアップに回すなど終盤の投手起用の幅も広がる。一方で追いつかれて延長に突入した場合は、打線に残るためには守備に就く必要がある。大谷は外野用のグラブを遠征用バッグに入れているが、21年8月8日に右翼を守って以降は守備に就いておらず、不安は残る。
延長でタイブレークが適用されず、第3戦は延長18回の大激闘。山本が中1日で登板準備をスタートさせたように、例外は常に起こりうる。ポストシーズン(PS)ではいい投手を惜しみなくつぎ込むのが鉄則。大谷の状態を確認しながらになるが、限りなく低いとはいえ、連投の可能性も排除はできない。
この2年のPSで、ドジャースが「負ければ敗退」の土俵際に追い詰められたのは昨年のパドレスとの地区シリーズで第3戦終了時に1勝2敗となって以来。その状況で発した大谷の強気な言葉は今も印象的だ。「2連勝すれば勝ちというゲームだと思ってやればいい。別に考える必要もない」―。何より欲しいWS連覇へ向けて、二刀流でラストスパートをかける。(安藤 宏太)
◆フリー28振14発!150メートル弾も
大谷が敵地に快音を響かせた。全体練習の最後にフリー打撃に参加。同僚や球場関係者が目を丸くし、驚きの声を上げる圧巻の打球を連発した。
シーズン中は原則、屋外でのフリー打撃を行わないが、地区シリーズで18打数1安打の打率5分6厘と苦しむと、リーグ優勝決定シリーズ第3戦の前日にキャンプ以来初めて本拠地で行い、第4戦で3本塁打。WS第1戦前日にも敵地で行い初戦に1本、3戦目に2本の本塁打を放ち、復調につなげていた。スイング数は32、33、28と異なるが、いずれもサク越えは14本と吉兆だ。
2試合、13打席連続で安打は出ていないが、練習中はたびたび笑顔を見せるなどリラックス。打撃練習中には「ショーヘイ!」と左翼付近を守りながら、何度も声を張り上げていたT・ヘルナンデスの方向へ狙って飛ばす余裕も。「グッドだったね。明日はミスしないから大丈夫だよ」と同僚も大谷の復調を確信していた。










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